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西予に文楽の殿堂「朝立会館」完成 人形浄瑠璃「翁」など披露

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西予に文楽の殿堂「朝立会館」完成 人形浄瑠璃「翁」など披露

 愛媛県西予市三瓶町に伝わる伝統芸能「朝日文楽」の継承に向けて、その活動拠点となる「西予市朝立(あさだつ)会館」が完成し2日、こけら落とし公演が行われた。朝日文楽は、庶民の娯楽として明治初期に伝わり、県の民俗文化財に指定されている。

 こけら落としでは、同市野村町出身の吉田和生さん(67)らが人形浄瑠璃「翁」を披露。今年3月に国立劇場文楽賞の「文楽大賞」を受賞した人形遣いの技に客席から盛大な歓声が上がった。

 続いて、地元の朝日文楽会が「三番叟」を披露。浄瑠璃語り、三味線弾き、人形遣いの見事な演技で場を盛り上げた。

 同会の井上勝会長(67)は「立派な施設が完成した。保存伝承に頑張っていきたい」と今後の練習や公演に意欲を燃やした。同会では、小中高生14人も伝統芸能の継承活動に取り組んでいる。

 朝立会館は鉄筋造2階建て、延べ床面積762平方メートルで、ふすま絵によって人形劇の奥行きを演出する舞台装置「八段(はったん)返し」を常設。155席の観客席は文楽のほか講演会やコンサートなどにも使用できる。総事業費は4億2千万円。

 今も県内で受け継がれている文楽は、伊予源之丞(松山市)、大谷文楽(大洲市肱川町)、俵津文楽(西予市明浜町)、鬼北文楽(鬼北町)を加えた計5座とされている。