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児童へコツ伝授、教員“奮投” 小学生男子ソフトボール投げ全国最下位 静岡

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児童へコツ伝授、教員“奮投” 小学生男子ソフトボール投げ全国最下位 静岡

 昨年度の文部科学省の調査で、小学生男子のソフトボール投げの成績が全国最下位となった本県。日本一のサッカーどころを自認し「休み時間はサッカーばかり」という事情も背景に見え隠れするが、専門家は「投げる力の低下はスポーツ全般に参加する意欲にも影響する」と警鐘を鳴らす。そうした中、児童に投げるコツを伝授しようと、教員たちの“奮投”が始まっている。

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 ◆「サッカー王国」影響?

 「投げたい方向に向かって、ボールを持つ手と反対の手を出して」。今月11日に袋井市の市立山名小学校で行われた、「体育指導力アップ研修会」。磐田市と袋井市、森町の若手教員を中心に約50人が参加し、小学生用のハンドボールなどを使って正しいオーバーハンドスローの指導法を学んだ。講師を務めた常葉大学教育学部の大矢隆二准教授によると、より遠くにボールを投げるには、肩や肘、手首を使って腕をしならせる▽体を後傾させて体重移動を使う▽足のステップで投げる-の3点を意識。投げ方のコツを段階的に教えることが重要だという。

 大矢准教授が昨年、県内の小学4年生を対象に行った学習プログラムでは、半年間で投距離が平均6メートルほど向上。実質的な指導は2カ月ほどで、「コツをつかめば『自分もできるんだ』とぐんぐん自信がついてくる」と指摘する。昨年度の文科省の「全国体力・運動能力・運動習慣等調査」では、本県の小学5年生男子のソフトボール投げの成績が全国最下位となり、参加した磐田市立豊岡北小の体育主任教諭、古田翔二さん(27)は「今の子供たちは休み時間といえばサッカー。手投げになっている子も多いので、上体のひねりを使った投げ方のコツを教えたい」と話した。

 ◆神経系の発達時期

 県教育委員会では、平成16年から小学生の体力づくりを目的に、学校単位でランキング形式の「体力アップコンテスト」を実施。23年からは「投げる力」の向上を目指し、3分間で何回キャッチボールできるかを競う「みんなでドッジボールラリー」を強化種目としているが、昨年の参加校は全体の約1割にとどまった。今年も県内の541校中、参加校は56校(16日現在)と低調で、県教委スポーツ振興課の鈴木公一指導主事は「日常生活でもボールを投げる機会が減っている」と危機感をにじませる。

 大矢准教授は「投げる力が低いと、体育の授業やスポーツに参加する意欲も低下する。神経系が最も発達する小学校低学年や中学年の時期にこそ、適切な指導が必要だ」と話した。