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フードバンク茨城が危機感 生活困窮者自立支援法施行で供給追いつかず

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フードバンク茨城が危機感 生活困窮者自立支援法施行で供給追いつかず

 個人や企業から食品の寄付を受け、必要とする施設や団体に無償で提供する取り組みを進める牛久市のNPO法人「フードバンク茨城」が、供給が追いつかない可能性があるとして危機感を募らせている。生活困窮者自立支援法が4月から施行されたことを機に、需要が増えたためだ。このままでは食品が底をつきかねず、協力を呼びかけている。(海老原由紀)

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 ◆ロス削減にも貢献

 フードバンクが引き受けるのは、賞味期限内に食べられるにも関わらず、規格外や印字ミスなどの理由で流通できない商品、余剰在庫品、家庭に眠る食品など。これらを児童養護施設やドメスティックバイオレンス(DV)被害者の支援団体などに届けている。まだ食べられるのに捨てられている「食品ロス」の削減にも貢献している。

 フードバンク茨城は平成23年3月に設立、同8月にNPO法人化した。生活協同組合パルシステム茨城うしくセンター(牛久市牛久町)を拠点とし、食品の寄付を呼びかける活動を続けている。

 とはいえ、県内での認知度はいまひとつ。フードバンク茨城では、連携する県内27の社会福祉協議会を通じて生活困窮者に食料支援をしているが、自立支援法の施行に伴い需要が増加した。

 同法は、生活保護に至る前の段階から、生活困窮者に対する自立支援策を強化する内容で、「強化」に伴い、食料の必要性も高まったというわけだ。

 支援法施行前の平成26年度の段階で、寄付された食品は約95トン。これに対し提供した食品は約91トンだった。供給が追いつかなくなるのは、もはや時間の問題といえる。

 このため大野覚(さとし)理事(35)は「ニーズに応えるのにぎりぎりの状態」と語る。特に、缶詰やレトルトなどのすぐに食べられる食品を集めることが急務という。

 厚生労働省が発表した平成25年の国民生活基礎調査によると、生活が「大変苦しい」「やや苦しい」とする世帯は59・9%で、母子家庭では84・8%に上る。

 ◆県内に基地構築へ

 フードバンク茨城は、食の確保が困難な人たちの支援を続けるため、寄付された食品をストックできる「食料基地」を県内各地に増やし、そこから施設や団体に食品を届ける仕組みを構築したい考え。大野理事は「捨ててしまう商品を社会貢献に生かしてもらえたら」とも話している。

 問い合わせはフードバンク茨城(電)029・874・3001(月水金のみ対応)。