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【数字から見える千葉】農業産出額全国3位の4141億円

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【数字から見える千葉】
農業産出額全国3位の4141億円

 ■6次産業化「強い農業」へ

 千葉県は、温暖な気候や肥沃な土壌に恵まれた農業王国で、その産出額(平成25年)は全国3位の4141億円である。もっとも、農業産出額に占める農家などの手取り収入(生産農業所得)の割合は33・8%で全国30位にとどまっている。

 担い手の高齢化に伴い、若い後継者の確保が大きな課題となっているが、その行方は「稼げる農業」へのシフトが鍵を握っている。農家らの収入環境の改善は喫緊の課題であり、その起爆剤の一つとして期待されているのが「6次産業化(農家らが食品加工・流通・販売にも業務を展開すること)」である。

 国は、「六次産業化・地産地消法」を22年に公布し、農家らの所得向上に取り組んでいる。本県でも、同法に基づいて、「ブルーベリーのジャム・冷凍菓子の商品化(山武市)」など16事業が国の認定・支援を受けて6次産業化に取り組んでいる。

 もっとも、本県全体の状況をみると、農家などによる農産物の加工販売額は17億円(24年)で全国16位。このうち、食品製造業、飲食業などの他産業と連携して加工している農家などの割合は5・0%(全国43位)に過ぎない。観光を絡めた農家レストランなど、まだ拡大の余地はありそうだ。

 北海道は、農業産出額及び農産物の加工販売額ともに全国1位の6次産業化の先進地である。札幌市では、道内の1次産業者と札幌市内の2次・3次産業者の連携による地場産品を使った新商品開発を対象に補助制度を設けるなど、官民一体で推進している。背景には道内の内需縮小への危機感があり、6次産業化と歩調を合わせて加工品の輸出拡大に取り組んでいることなどは、本県の農業関係者にも参考になる。

 25年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたほか、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催決定を受けて、日本の食文化に対する国内外の関心は飛躍的に高まっている。国が進める地方創生も追い風になりうる。これら一連の動きを6次産業化に取り組むチャンスととらえ、官民一体となって県内農業の競争力強化を目指してはどうだろうか。

(ちばぎん総研調査部副部長 関寛之)

【農業産出額と、農産物の加工販売額ランキング】

 農業産出額(平成25年)→ 生産農業所得の割合 

  (1)北海道 1兆705億円 (1)滋賀県 49.4% 

  (2)茨城県  4356億円 (2)福島県 48.3% 

  (3)千葉県  4141億円 (3)山梨県 46.1%

                (30)千葉県 33.8% 

 農産物の加工販売額(24年)→他産業との連携割合 

  (1)北海道   960億円 (1)東京都 56.0% 

  (2)静岡県   646億円 (2)広島県 45.3% 

  (3)愛媛県   571億円 (3)鳥取県 42.9% 

 (16)千葉県    17億円(44)千葉県  5.0%

 ※右側はいずれも左側のデータを元にして算出した割合。農林水産省「生産農業所得統計」「6次産業化総合調査」からちばぎん総研が作成。