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山梨県内に初のバイオマス発電 県・大月市・大林組が事業計画を発表

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山梨県内に初のバイオマス発電 県・大月市・大林組が事業計画を発表

 県と大月市、総合建設会社の大林組の3者は8日、県庁で記者会見して、大林組が事業主体となり県内初のバイオマス発電事業を始動すると発表した。同市笹子町白野に約2万平方メートルの事業用地を確保、今年8月に建設工事に着手して、平成29年夏頃発電を開始する。施設は出力1万4千キロワットの発電容量を持ち、燃料には未利用間伐材、剪定(せんてい)枝、樹皮を使用する。記者会見で同市の石井由己雄市長は「事業は新たな雇用創出と林業活性につながる」と話した。

 白野地区の事業用地は国道20号南側の山梨リニア実験線建設工事の際の工事残土置き場。ここに木質バイオマス燃料を直接燃焼させ、ボイラーで発生させた高温高圧蒸気でタービンを回して発電する蒸気タービン発電方式の施設を建設する。事業費100億円は全額大林組が負担する。発電容量の1万4千キロワットは約3万世帯分の発電能力に相当する。

 同事業では同市が22年度に産業立地の一環で事業誘致を図った。県が呼応して、関係法令手続きに関する情報の提供や事業実施に向け助言してきた。県環境影響評価条例に基づく手続きも進められた。

 記者会見で大林組の蓮輪賢治常務は、「わが社は(24年7月の)FIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度)発足後、ゼネコンとしては初めて制度活用に取り組み、太陽光・風力・木質バイオマス発電を推進して、大月市の木質バイオマス産業への参画を決定した」と経緯を述べた。

 同社によると、県内ではFIT制度に基づく初の大型バイオマス発電事業。売電額は年間20億円を見込み、従業員約20人を地元から優先雇用する。発電用燃料に関しては、間伐材、調整端材などの未利用材、剪定枝、樹皮が使われ、年間15万トンの使用燃料の6、7割を県内で調達する計画。

 石井市長は「林業が衰退しているが経済対策も急務であり、バイオマス発電事業によって林業の再活性が見込まれ、雇用の場が創出される。地球環境を考える上では低炭素社会構築につながる」と話し、同事業が市の課題を解決に導くとの考えを示した。