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「芳ケ平」ラムサール登録 群馬県内3カ所目「観光振興に期待」

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「芳ケ平」ラムサール登録 群馬県内3カ所目「観光振興に期待」

 中之条町と草津町に広がる湿原「芳ケ平湿地群」が国際的に重要な湿地の保全を目指すラムサール条約に登録された。県内の湿地で同条約に登録されたのは、尾瀬(平成17年)、渡良瀬遊水地(24年)に続き3カ所目。国際条約の知名度を追い風に、観光振興にもつながると期待されている。

 「芳ケ平湿地群」は群馬、新潟、長野3県にまたがる上信越高原国立公園の中にあり、草津白根山湯釜(標高2160メートル)や国内では珍しい大規模に自生した「チャツボミゴケ」の群生地などが含まれる。福島、新潟にも広がる尾瀬や、茨城、栃木、埼玉にもまたがる渡良瀬遊水地とは異なり、全エリアが本県内に収っている。

 中之条、草津の両町は平成25年に「芳ケ平湿原周辺のラムサール条約登録を実現する会」を発足させ、登録に向けて尽力してきた。

 同年から芳ケ平湿地群に生息する高山植物などを観察する「自然観察会」を始めたほか、芳ケ平の自然環境調査も実施。日本固有種のモリアオガエルの繁殖地としては最高標高であることなどを確認した。

 また、民間団体も木道の整備や草刈りなど、湿地の保全に協力し、官民を挙げて今年のラムサール条約登録にこぎつけた。

 中之条町の伊能正夫町長は「生態系がユニークで非常に貴重な湿地群を後世に継承したい。喜びと責任を忘れずに未来への懸け橋となりたい」、大沢正明知事は「自然環境の一層の保全や、地域の観光振興につながることを期待している」とのコメントを発表した。

 条約登録を機に観光客の増加が見込まれることから同町企画政策課は「木道のさらなる整備や看板の設置など、保全活動に力を入れていきたい」としている。

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 今回は芳ケ平湿地群のほか、涸沼(茨城県)、東よか干潟(佐賀県)、肥前鹿島干潟(同)の3カ所も新規登録され、国内の登録湿地数は50カ所になった。

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 ラムサール条約 正式名称は「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」。1971(昭和46)年にイランのラムサールで開催された「湿地及び水鳥の保全のための国際会議」で採択され75年に発効。今年3月時点で締約国168カ国、登録湿地数は2193カ所。湿地の保全と持続可能な利用の促進を目的としている。