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【上州この人】下仁田町副町長・吉弘拓生さん(33)

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【上州この人】
下仁田町副町長・吉弘拓生さん(33)

 ■地方創生へ福岡から助っ人

 33歳の若さで下仁田町の副町長を務める吉弘拓生さんは福岡市の出身で、もともとは福岡県うきは市職員だ。同市で盛んな林業を観光資源に活用した「森林セラピー」を定着させるなど実績が評価され、平成25年に総務省の地域力創造アドバイザーに任命された。地方創生が注目を集める中、深刻な人口減少問題を抱える下仁田町の地方創生について吉弘さんに聞いた。(大橋拓史)

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 --今年度から下仁田町の副町長を務めているが、きっかけは

 「町から『人口減少問題や観光の活性化についてアドバイスがほしい』という依頼があり、昨年の9月から今年の2月にかけて計10日ほど町を訪れた。下仁田といえばネギとコンニャク。この2つは全国的に有名で、うきは市としても広域連携を図っていくという方針があり、4年間、下仁田町でお世話になることになった」

 --うきは市ではどういった取り組みをしてきたのか

 「盛んな林業を観光資源にできないかと思い、大学卒業後、同市の森林組合に入った。そこで森林浴で心と体を癒やす『森林セラピー』で観光客を呼び込めないかと思い至り、同市に出向して森林セラピーを広めた。平成22年からは市職員となり、地元の洋菓子店と特産フルーツを結びつけて、うきはのスイーツとフルーツをPRした」

 --下仁田町の印象は

 「町に元気がないと聞いていたが、かつ丼でまちおこしをやっていたり、有名なドーナツ屋さんがあったりと隠れた宝物はあると感じた。町の人には元気があり、自分がパイプ役となって町の魅力を引き出していきたい」

 --地方創生が叫ばれている。下仁田町の人口減少問題は深刻で、今年度中に地方版総合戦略の策定も控えている。どう取り組むか

 「人口減少、あるいは地方創生にこれをすればうまくいくというものはない。どんな政策も町民の方なしには成り立たない。町の中には下仁田を知り尽くした先生たちがたくさんいる。まずは自分が町に出て、住民の方と意見交換をしていきたい」

 --地方版総合戦略を自力で策定できる市町村は少ないとの指摘もあるが

 「どう策定すればいいか分からないという部分があるのだと思う。しかし総合戦略の策定は交付金が絡んでくるので、結局業者に丸投げするケースも出てくるかもしれない。それでは総合戦略が画一的になってしまう。下仁田町として独自のものをつくっていきたい」

 --何かアイデアは

 「副町長が一人来たからといって何か変わるわけではない。私は町民の方が下仁田町に誇りを持てるようにしたいと思っている。うきは市での成功例は向こうで終わり。総合戦略は下仁田のみんなでつくりあげたものにしたい」

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【プロフィル】吉弘拓生

 よしひろ・たくお 昭和56年、福岡市生まれ。高校卒業後、同市の大学に進学し、1年時にラジオアナウンサーとしてデビュー。卒業後、福岡県うきは市の森林組合に就職し平成20年にうきは市に出向。22年から市職員。25年に総務省の地域力創造アドバイザーに任命され、今年度から下仁田町の副町長を務める。