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【Newsちば深読み】秀明大に国内初の女子水球プール

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【Newsちば深読み】
秀明大に国内初の女子水球プール

 ■東京五輪へ「金の卵」育てる

 今春、秀明大(八千代市大学町)に、国内初となる日本水泳連盟公認の女子水球専用プールが登場した。これに併せて女子水球部が創部され、各世代で全員が日本代表を経験している部員8人が、他大もうらやむ練習環境で日々練習に明け暮れている。日本代表監督も務める同部の加藤英雄監督(54)は、「部活での使用はもちろん、東京五輪に向けた女子水球の普及・強化に使用したい」と大きな視野で将来を見据える。

 ◆総工費13億円

 「水中の格闘技」とも言われ、激しい攻防が水中で行われる水球。しかしマイナースポーツのイメージは払拭しきれず、特に女子は日本代表ですら練習場に不自由していたのが現状だ。他大の女子水球部は、競泳選手らと融通し合ってプールを使用しているという。

 お目見えした専用プール「秀明大学ウオーターポロアリーナ」は、総工費約13億円で2年かけて造られた。縦30メートル、横25メートル、水深2メートル。男子の水球コートには少し狭く、公式戦が開けないため「女子専用」となる。154席の観客席も配備し、今後多くの大会が開かれる予定で、市民らにも開放される。日本代表の合宿もすでに行われている。

 「千葉県は高校の女子水球部が多く、クラブチームもある。いろいろなチームに使ってもらいたい」と加藤監督は話す。

 ◆ゼロから作った監督

 プールサイドから選手に厳しい声をかける加藤監督。中学まで背泳ぎの選手だったが、高校で先輩から半ば強引に始めさせられた水球のとりこになるまで時間はかからなかった。

 「サッカーなど他の球技は、初心者でもある程度楽しむことができる。水球はずっと泳いでいなければならず、一朝一夕でできるものではないというのがプライドです」

 体育教師になるため、筑波大に進学し、当時は男子校で水球部のなかった、現在の秀明栄光高校(埼玉県上尾市)に採用された。ゼロから作り上げた男子水球部は創部6年でインターハイ出場、17年で優勝。現在も優勝常連校として君臨している。

 後に共学化し、平成21年には女子水球部も創設。日本代表選手も多く育ててきた。その功績もあり加藤監督はユースの日本代表も率いるようになった。

 ◆まずはリオへ

 プールと同様、女子水球界の将来を見据えて、秀明大は女子水球部を創部。1期生となった8人は全員が1年生で、18歳以下などを含めた日本代表。うち3人は、すでにナショナルチームの代表選手だ。

 その中の一人で、相手の攻撃を防ぐ最も激しいポジション・センターバックを担う坂上千明さん(18)は、千葉市美浜区出身で県立幕張総合高校を卒業した。「目標は東京五輪で金メダルを取ることです。まずはリオ五輪に出場できるよう、予選を勝ち抜きます」と話す。

 8日には、シンガポールのナショナルチームとの練習試合に臨み、18-7で危なげなく勝利。言葉だけでなく、実力もある。東京五輪が行われるころ、選手として一番脂の乗った世代になる「金の卵」たちの今後が楽しみだ。(山本浩輔)

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【用語解説】秀明大学女子水球部

 今年4月創部。1期生8人のうち、加藤英雄監督の高校時代からの教え子である鈴木琴莉(主将)と、風間祐李、坂上千明は日本代表。他の5人は小川栞璃(U-20代表)、佐々木圭菜(同)、栗原舞(U-18代表)、野呂美咲季(同)、渡部歩美(同)。個人としての目標は全員が「五輪出場」。