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児童養護施設の若者の進学支援 長野県、給付型奨学金を創設

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児童養護施設の若者の進学支援 長野県、給付型奨学金を創設

 県は、大学などに進学を希望する児童養護施設で育った若者などを対象にした奨学金制度「飛び立て若者!奨学金」を創設した。日本学生支援機構が行う奨学金制度など多くの制度は返済が必要だが、県が新たに設けた制度は返済がいらない給付型。県私学・高等教育課は「給付型の奨学金制度は民間が行う事例もあるが、人数的にも限られている。行政が直接、こうした奨学金制度を創設するのは全国でもおそらく初めて」としている。

 県の制度は、ホテルなどを全国展開する「ルートインジャパン」と、上田市出身の永山勝利ルートイングループ会長からの寄付を原資に基金を創設して運用する。対象となるのは、児童養護施設に入所したり、里親の元で暮らしたりするなどしていた県内の20歳以下の若者。大学や短大、専門学校などに進学した場合に、月額5万円を最大4年間にわたって給付する。

 今年度の応募は5月8日まで受け付け、児童福祉関係者や学識経験者らで構成する選考委員会が10人程度を選定する。応募に必要なのは、養護施設長や里親などからの推薦書と在学証明書など。本人が記入する申請書には、進学して学びたいことや将来の抱負を記入する。選考は提出書類で行い、面接などは行わない。

 同課によると、児童養護施設に入所するなどしていて進学する若者たちは毎年10人程度いる。こうした若者たちは、これまで奨学金の貸与を受けるなど個人で進学資金を工面していたが、県の制度創設により、これまで進学を諦めていた若者たちにも広く門戸が開かれることになる。

 永山会長と同社からの寄付は来年度以降も続き、制度は11年間継続して行われる。同課の轟寛逸課長は「この制度ができることで困難を抱えた若者たちに対する社会的関心が高まり、将来に道を開く機運がさらに広まるように努めたい」と話している。

 応募方法などの問い合わせは同課(電)026・235・7285。