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注目集める「ふるさと投資」 兵庫県内でも4事業が資金調達

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注目集める「ふるさと投資」 兵庫県内でも4事業が資金調達

小口投資で資金調達を図る「播磨海洋牧場」の工場での商品加工作業=姫路市白浜町

 地域で独自に活動する中小企業の事業展開に、銀行や金融機関の融資に頼らず、インターネットを通じ全国から小口投資を集める「ふるさと投資」が注目を集めている。県は昨年度から東京のファンド運営会社と連携し、成長を目指す県内の中小企業のビジネスプランに小口投資を募る「キラリひょうごのオンリーワン応援事業」をスタート。初年度の昨年度は9事業が選ばれ、これまでに4事業の資金調達が小口投資でまかなわれることになった。

 県は中小企業から事業プランを募集し、優秀なものを「キラリひょうごプロジェクト」として選定。このプロジェクトにファンド運営会社が協力し、昨年12月からそれぞれ525万~2100万円の資金調達を目標に、1口2万~5万円の投資を募った。出資者は企業の商品がもらえるなどの特典があり、設定した売り上げを達成した場合はファンド運用期間中に分配金を受け取れる仕組みだ。

 今年4月15日現在で、キラリひょうごプロジェクトのうち、農産品加工「樽正本店」(神戸市)のジャム製造事業や、酒蔵「田治米合名会社」(朝来市)の無農薬米による純米酒製造など4プロジェクトが小口投資のファンドで事業費の目途がついたという。

 ファンドの問い合わせはミュージックセキュリティーズ西日本支社(電)06・6485・7397。

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 キラリひょうごプロジェクト選定企業のひとつ、水産卸・販売業「播磨海洋牧場」(姫路市白浜町、向井招博社長)も、小口投資で資金調達を図っている。

 同社は平成11年創業で、15年に播磨灘の鮮魚の販売事業を開始。水揚げした魚介類を水槽で休ませ、発送直前に活け締めすることで鮮度を保ち国内外の飲食店などに届けている。

 ハモやタイなど骨が硬い魚を柔らかく加工し、骨ごと食べられるようにした「骨まで柔らか」を商品化した。今後、電子レンジなどで温めるだけで食べられるようにして販売に乗り出す予定で、この事業展開のため、ファンドで募った資金でウロコ取り機や三枚おろし機などを購入する計画だ。同社は「特に、魚になじみがないお子さんがいる家庭の方に出資してもらいたい。おいしさと食べやすさを知ってもらい、商品のファンを増やしていきたい」と話している。

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【用語解説】ふるさと投資

 一般投資家の小口投資と地域の中小企業向けの資金調達を結ぶ仕組み。国が昨年10月に全国の地方公共団体や金融機関、ファンドなどで「『ふるさと投資』連絡会議」を設立した。「ふるさと納税」の投資バージョンともいえるが、投資の元本保証があるわけではない。