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東松島・宮戸小で最後の入学式 新入生1人が伝統受け継ぐ

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東松島・宮戸小で最後の入学式 新入生1人が伝統受け継ぐ

 東松島市立宮戸(みやと)小学校で8日、最後の入学式が開かれた。同校は今年度で閉校となり、142年の歴史に幕を下ろす。新入生は1人だけだが、上級生の児童は元気な声で校歌を披露するなど、明るい笑顔で迎えた。

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 小学校は同市の宮戸島にある。人口は604人(3月末現在)の小さな島だ。主に漁業や観光などに従事する人が多いという。同市によると、東日本大震災では14人が犠牲となり、市内とつながる唯一の橋も津波で流失して孤立。震災前に966人いた島民も300人以上減ってしまった。

 同校の全校児童は新入生を含めて18人。かつては昭和30年代の最盛期に約300人が在籍していたという児童も近年では大幅に減少し、震災前も約30人だったという。こうしたことを受けて来年度から同市立野蒜(のびる)小と統合し、宮野森小として生まれ変わることになった。

 体育館で行われた入学式では、在校生や教職員らが見守るなか、尾形陽希(ひろき)君(6)が緊張した表情で登場。佐々木啓悦(けいえつ)校長が名前を呼ぶと、大きな声で返事をした。

 佐々木校長は「全員で入学を楽しみに待っていました」と語りかけ、学校生活を充実できるよう元気な返事や朝ご飯を食べること、みんなと仲良くすることの3つを陽希君と約束。保護者に向けては、同小の伝統を受け継ぐ最後の児童として「宮戸を愛し続ける人を育てていきたい」とあいさつした。

 在校生代表で、2年生らが「(学校は)楽しいことがいっぱいです」と歓迎の言葉を述べ、鍵盤ハーモニカなどで楽曲を演奏した。

 陽希君は「運動会が楽しみ」と、小学校での生活に胸を膨らませていた。父親の昭寿(あきとし)さん(34)も同校の卒業生だ。閉校となることに寂しさをにじませ、「大人になったときに、宮戸で育ったといえるようになってほしい」と期待を込めた。