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【千葉県議選】18選挙区で無投票当選 選択肢なき100万有権者

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【千葉県議選】
18選挙区で無投票当選 選択肢なき100万有権者

 3日に告示された県議選(定数95)は、46選挙区のうち3分の1を超える18選挙区で24人が無投票当選した。県選管によると、4年前の19選挙区(25人)に次ぐ多さで、富里、富津両市と長生郡の各選挙区は4回連続となった。この結果、計約100万人の有権者が投票の機会を持てないまま、24人に今後の県政を委ねることになった。識者からは「有権者の選択肢がなく、健全な状態とはいえない」と指摘する声も上がっている。

 無投票だったのは県北東部や南部を中心とした18選挙区。このうち12選挙区は定数1の「1人区」で、残りの6選挙区は「2人区」だった。内訳は自民20人▽民主3人▽無所属1人-で、新人では自民の2人と無所属の1人が初当選を果たした。

 無投票となった選挙区の中でも特に1人区は自民の「牙城」となっており、他党が候補者擁立を見送る状態となっている。民主のある県連幹部は「茂原、君津より南は地方議員がいない」と自民の強固な地盤に頭を抱えた。その言葉を証明するように、民主は昨年12月の衆院選でも千葉11、12区では候補者を擁立できず、今回の県議選も多くの1人区で自民の無投票当選を許す形となった。

 昨年の衆院選で全国的に躍進した共産も、今回の県議選では各選挙区で積極的に候補者擁立に動いたが、1人区では候補者を立てていない。

 また、共産は千葉市美浜区選挙区(定数2)で「無投票当選の阻止」を掲げて候補者擁立を検討したが、告示直前に断念した。

 ある自民の無投票当選者は「後援会の結束や有権者の選択肢を増やすため、本音は選挙をやりたかった」と話した。

 「選挙は違った考え方やものの見方をぶつけ合わせて課題をあぶり出し、有権者が判断する機会。選択肢がない状況は有権者にとって不幸だ」

 千葉大の関谷昇准教授(政治学)は県議選で無投票当選が多い現状についてこう話す。

 「1人区や2人区では長く続けている県議やその後継者の地盤が盤石で、他の党が対抗馬を立てられなくなっている。その傾向は前回から今回にかけて強く出ている」と分析。「勝てる見込みがないからと、候補者を擁立しない野党側のだらしなさも一因だ」と指摘した。

 議員の定数や選挙区割の見直しをめぐっては昨年、県議会の各会派で議論が行われたが、最大会派の自民が反対し、結論が先送りされた経緯がある。

 関谷准教授は「議会改革は数ありきで議論されることが多いが、定数を減らすことが必ずしも正しいわけではない」と指摘する一方、「どういう県議会を目指すのか、はっきりと提示しないと定数が適正かどうか判断できない。だが、そういった点が見えてこないことも大きな問題だ。改革するにしても、身内だけの議論では各党の利害や思惑が絡んでくるので、第三者を交えて客観的に見直す必要がある」と語った。