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「淫行被害」2年で17件 長野県警公表、検討会で条例モデル作成一致

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「淫行被害」2年で17件 長野県警公表、検討会で条例モデル作成一致

 子供を性被害から守るための条例制定について、県民の判断材料となる条例モデルについて議論する有識者検討会(座長・安部哲夫独協大法学部教授)は26日、県庁で第2回会合を開いた。この中で県警は平成25年から26年の2年間に現行法では摘発できなかったものの、淫行条例があれば行為者を処罰できたとする17件20人(被害者は全員女子)の子供の性被害の事案を公表した。

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 それによると、行為者と性被害を受けた子供が知り合ったきっかけは、インターネットやLINE、ゲームサイトなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)によるケースが多くを占めた。また、性交や性的行為に及ぶ過程では行為者が「悩み事の相談に乗る」と言葉に巧みに誘い出したり、「自分は暴力団関係者だ」と脅したりしており、被害女子のほとんどが「断りきれない」と感じて性交に応じた実態が浮き彫りになった。

 県警はそれぞれの事案について、刑法や児童買春・児童ポルノ禁止法、児童福祉法などの適用を検討したが、違反要件を満たさなかったことから、摘発には至らなかったとしている。

 この日の検討会の会合は、予定を大幅に延長して3時間以上にわたる議論が行われ、県警の担当者が17件20人の子供の性被害の事案を説明し、委員からはそれぞれの行為の内容確認など多くの質疑が行われた。

 これを受け、4人の委員は性被害防止のための条例モデルを作成する必要があるとの認識で一致。次回以降、条例の目的や構成など具体的なモデル作成の作業に入ることを確認した。条例制定に反対の立場をとる県弁護士会が推薦した伊藤亜希子弁護士も「(条例モデルが)全く必要性がないとはいい切れないという印象を持った。支援も含めて条例を検討することは意義あることだと思う」と述べた。また、会合では条例モデルについて、性被害の防止だけではなく、被害者支援も目的に加えることでも意見が一致した。

 終了後の取材に、安部座長は「摘発できなかった具体的な事例について詳しい説明を受けることによって、何が問題であるのか、委員の間で了解ができた。今後はどういう条例モデルをつくるかの議論になっていく」と語った。