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大月市立図書館長に絵本作家・仁科幸子氏 子供の感性育てたい 山梨

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大月市立図書館長に絵本作家・仁科幸子氏 子供の感性育てたい 山梨

 「おいしいありがとう」「パップンピットのおはなし」など、ファンタスティックな作品を数多く出版している絵本作家でグラフィックデザイナーの仁科幸子(さちこ)氏が4月1日付で大月市立図書館長(非常勤)に就任する。同図書館で24日、記者会見した仁科氏は「子供たちの感性を育てる図書館にしたい」と語った。図書館を“心の森”に例えて、さまざまな物語との出合いの中で、本の価値観を提供していく。

 記者会見で、同席した石井由己雄市長は仁科氏の館長就任の狙いを「子供たちのふるさと教育を主要課題に挙げている。豊かな自然の中で感性豊かな子供たちを育てたいと考えた」と話し、仁科氏の発想によって子供たちにとって魅力ある図書館づくりを進めたい考えだ。

 仁科氏はまず自身の生い立ちに触れ、「私は本から生きていく力をもらったといえる。父が本好きで、名作、全集が家にあり、小学生時代に大人が読む本を意味も分からず読んだ。大人になって本の中の言葉が生きる力になったと実感している。子供のうちに本に興味を持つことが豊かな心を作る」と話し、子供のころに本に触れることができたことを「幸せだと思う」と振り返った。

 4月1日付で図書館長に就任するが、「図書館をリラックスできる空間にしたい」と、図書館の愛称を「おおつきMOONらいぶらりぃ」と、柔らかな呼び名を付けた。就任後の活動については、グラフィックデザイナーの経験を生かして図書館キャラクターを生み出し、子供たちにとって敷居の高そうな図書館のムードを変えていく。

 「本は心の種 図書館は心をイキイキさせる森」をテーマに絵本のタイトルから取った「パップンピットクラブ」を開設し、「本の福袋」を登場させて読書感想文を書いた子供の貸し出し袋にプレゼントを入れたり、市内の知識人から話を聞く「ルンルン講座」を開いたりするほか、市内の7小学校を巡る「館長の出張ワークショップ」を通じて子供たちを本の世界へと誘うことにしている。

 子供たちばかりでなく大人が参加できる「私の大切な1冊」では、本を推薦した人のインタビュー内容を館内にパネル展示する。子供と本についてお茶を飲みながら語る「アリスのティーブックトーク」や、仁科氏の仕事仲間によるトークショーも計画して、ロックグループ「ザ・ローリング・ストーンズ」を撮り続ける写真家などを予定。

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 仁科氏は大月市生まれ。父親の転勤に伴い、3歳で故郷を離れ、東北地方などで生活。多摩美術大卒業後、グラフィックデザイナーとなり、会社勤務を続け、平成7年、絵本作家として独立。14年に同市に戻り、森や動物、精霊などのファンタスチックな世界を表現した作品を発表している。現在、日本児童文芸家協会員。