産経ニュース

今年度で「休校」の海南市立塩津小学校で最後の卒業式

地方 地方

記事詳細

更新


今年度で「休校」の海南市立塩津小学校で最後の卒業式

 県内各地の小学校で卒業式が行われた19日、今年度限りで「休校」となる海南市下津町の市立塩津小学校では、最後の卒業証書授与式が行われた。142年の歴史を誇る同小の卒業生5人は「仲間とともに学んだことを決して忘れません。ありがとう、私たちの塩津小学校」と元気にあいさつ。在校生2人や教員らに見送られながら、歴史と思い出のつまった学舎に別れを告げた。

 同小は明治6年に開校し、戦前の記録は残っていないが、ピーク時には300人以上の児童が在籍。記録が残っている分だけで、2800人以上を送り出してきたという。しかし少子化などで児童数は減少し、昨年度にはひと桁に。今年度の5人が卒業すると、在校生は現在の3年と5年の2人だけになるため、休校することになった。

 通常なら廃校の措置も考えられたが、保護者や地元から「地域のシンボルとしての学校を失いたくない」という強い要望もあり、市教委などとの話し合いで休校の扱いになったという。

 校旗は市教委に返還されるが、校舎は災害時の避難所に指定されていることから、市教委が管理。今後の校舎の活用については、住民と市などが協議して検討するという。

 この日の式では、在校生や保護者ら約20人の拍手を受けながら、卒業生が一人ずつ入場。胸にはピンクの花飾りを付け、緊張した面持ちで坂中毅校長から卒業証書を受け取った。卒業生5人は6年間の思い出を振り返りながら、「今日の感動を胸に、中学校へと大きく羽ばたきます」と声をそろえた。

 祖父母も自身も同小の卒業生という保護者の成川吉美さん(39)は「休校になることは寂しいが、この日を迎えられてよかった。娘には学んだことを生かして自分の思う道を進んでいってほしい」と話していた。同小では今月29日に休校式を開催。在校生2人は4月から、市立大東小学校に通う。

 県教委によると、県内ではこの日、公立小学校74校で卒業式が行われた。