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養蜂事業で地域活性化 23区で初、江東区「ハニープロジェクト」   

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養蜂事業で地域活性化 23区で初、江東区「ハニープロジェクト」   

 江東区が新年度から養蜂事業に乗り出す。職員提案から実現した事業で「ハニープロジェクト」と命名。23区では初のチャレンジとなる。区の緑化事業を後押しし、将来は区内の店舗などで地元産ハチミツを販売して、地域活性化につなげていく夢を描いている。

 養蜂事業は平成25年度の職員提案で、区民課の職員が提案し、採用された。担当者募集の呼びかけに、同課をはじめ、土木、高齢者福祉、保育などに関連するさまざまな部署から17人が参加することになった。

 ◆19人で研修

 区民団体からの2人を加えたメンバー19人は、昨年5月から研修に入り、銀座で有志らがビルの屋上などを使って進めている「銀座ミツバチプロジェクト」を見学したり、採蜜や養蜂箱の中のハチの状態をチェックする「内検」作業を体験してきた。

 計画では、区役所本庁舎の防災センターの屋上(地上24メートル)に養蜂箱を設置し、2群(約2万匹)を飼育するという。区議会で17日に議決予定の27年度予算案には、ミツバチ、養蜂箱、蜜を採るための遠心分離器などの購入費用177万円が計上されている。

 ミツバチの行動範囲は半径3、4キロとされ、区役所を中心とするこの範囲には、木場公園をはじめ、横十間川(よこじっけんかわ)親水公園などがあり、草花のほか街路樹が多く、蜜源は豊富という。

 ◆目標は50キロ

 初年度は50キロほどの収穫を目標にし、祭りのイベントなどで限定販売したい考え。数年以内にはNPO法人化し、区産ハチミツを定着させる構想もある。

 区では「自然環境回復、子供たちへの環境教育、地元産品の誕生など、多くの効果が見込める」と、公共施設を使った養蜂事業の成功に期待している。

 都内では、指定管理者制度を導入している足立区生物園が、20年度からミツバチを飼育している例があるという。

 採蜜してイベントなどで提供しているほか、昨年11月には、収穫したハチミツを60個(1個110ミリリットル)販売し、完売した。

 同園によると、都内は公園や街路樹が多く、養蜂には適しているとされる。特定の品種の花ではなく、さまざまな品種の花から蜜を集めることになるため、「百花蜜」と呼ばれるくせのない味の蜜になる。

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【用語解説】養蜂事業

 ミツバチを飼育し、ハチミツやローヤルゼリーなどミツバチ由来の生産物を得る事業。19世紀半ばまでは自然にある巣を探し、ハチミツを採取していたが、米国で巣枠を取り外しできる養蜂箱が開発され、養蜂事業は発展。日本での養蜂は江戸時代から本格的に行われ、明治に入ってからはセイヨウミツバチの輸入や、種蜂の改良も行われた。