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特急「あやめ」40年の歴史に幕 バス競合で低迷

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特急「あやめ」40年の歴史に幕 バス競合で低迷

 都心へのアクセスが格段に向上する上野東京ラインの開業を前に、ひっそりと廃止される特急列車がある。鹿行地域と東京駅を結ぶJR鹿島線の特急「あやめ」だ。ビジネス客を都心まで運ぶ一方、通勤や通学の「足」としても地元住民に親しまれた特急は13日、40年の歴史に幕を閉じる。

 あやめは、昭和50年に運行を開始。ピーク時には5往復が運行されていたが、現在は通勤時間帯に合わせて2往復計4本が運行されている。このうち、1往復は鹿島神宮駅(鹿嶋市宮下)と東京駅を、1往復は銚子駅(千葉県銚子市)と東京駅を結んでいる。

 鹿島神宮駅、銚子駅-佐原駅(千葉県香取市)間は、特急券の不要な普通列車の扱いで運行しており、東京方面への通勤客に加え、沿線の高校生などの通学にも利用されてきた。

 鹿島神宮駅と東京駅の間には高速バスも運行されているが、通勤時間帯の所要時間は2時間20分。あやめは約40分早い1時間43分で東京駅に到着することから、重宝されていた。

 JR鹿島線を走る特急はあやめだけで、今回の廃止に沿線の鹿嶋市や潮来市などでは波紋が広がっている。昨年12月、潮来市や鹿嶋市は千葉県内の5自治体と連名でJRに廃止撤回を要望したが、JRは「利用状況が悪いのでご理解いただきたい」と回答。潮来市では「あやめ祭り期間の客入りにも影響しそうだ」と気をもんでいる。

 ある自治体関係者は「突然廃止を表明するのではなく、事前に相談してくれれば利用促進運動などで協力できた。今後は緊密に連携するようにJRに要望した」と打ち明ける。

 JR東日本千葉支社は、特急あやめの廃止理由を「高速バスとの競合などによって乗車率が低迷しているため」と説明。「潮来市で開催される水郷潮来あやめ祭りの期間には、臨時の特急列車を運行して対応する」と強調している。