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仙台市議会、手話通訳を導入 6月定例会から開始

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仙台市議会、手話通訳を導入 6月定例会から開始

 市議会は、聴覚障害者に内容を伝える手話通訳の導入を6月定例会から始める。2月定例会の一般質問では、聴覚障害者に向けて手話通訳の試験導入を実施。今後は傍聴者のアンケート結果などを踏まえて改善していくという。(木下慧人)

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 2月16日に開かれた市議会の傍聴席で、市聴覚障害者協会の会員20人が手話通訳を見つめる。多くの会員は議会の傍聴が初めて。しきりに左右上下に動く手を見つめ、ときおりうなずきながら、真剣な表情を浮かべていた。約2時間、議員4人の質問と市との質疑応答を見守った。

 参加した松本克之会長(70)は「議会でどのようなことが議論されているのかが分かってうれしい」と話した。別の参加者からも「今までテレビや新聞でしか情報がなかった。継続して傍聴したい」と前向きな感想が相次いだ。これまでは「議会を傍聴できることは知っていたが手話通訳がないため、やりとりが分からず、行ったことがなかった」など、傍聴へのハードルが高かったという。聴覚障害を持った市民にも傍聴の門戸が開かれた。

 一方、通訳者側の負担は大きい。今回の議会で手話通訳は3人体制で臨んだ。約10~20分ずつの交代制だ。長時間を連続して通訳することは負担が大きく、交代で対応しないと難しいという。

 また、議会で話される内容は、平易な言葉ばかりではない。難しい言葉を訳すため、手話通訳にとっても予習が欠かせないが、議員が質問する内容は前日に判明する。ホームページで情報を集めたり、議事録から用語を調べるなどして対応したが、時間的な余裕はない。

 手話通訳として参加した横沢麻子さん(46)は「(手話を)熱心に見てもらっている実感があった」と手応えを口にする。「議会は複数人が一度にしゃべることはないので、そういった意味では通訳しやすい」としながらも、「質問について詳細をあらかじめ知ることができれば、予習できて伝えやすい」と改善点を口にした。解決すべき課題もあるのが現状だ。

 市は今回傍聴した聴覚障害者にアンケートを実施し、その回答を踏まえて6月定例会から聴覚障害者の事前申し込みで、手話通訳を利用した傍聴ができるようになる。