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「朔太郎の生家」前橋中心市街地に再移転 1カ所に集約、地域を活性化 群馬

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「朔太郎の生家」前橋中心市街地に再移転 1カ所に集約、地域を活性化 群馬

 前橋市は、「日本近代詩の父」といわれる同市出身の萩原朔太郎(1886~1942年)の生家を、現在の敷島公園から本来の場所に程近い市中心市街地に移転することを決めた。平成28年度中に移転を終わらせるため、27年度当初予算案に調査費1千万円を計上した。朔太郎関連施設を街中に集約し、市街地活性化の一助にしたい考えだ。(大橋拓史)

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 市文化国際課によると、生家は朔太郎の没後も前橋市北曲輪(くるわ)町(現・千代田町)にあった。しかし、昭和40年代までに再開発で解体されるなどしたため、49年に生家の土蔵が同市敷島町の「敷島公園ばら園」内に移築された経緯がある。続いて53年に書斎、54年には離れ座敷も移され55年に「萩原朔太郎記念館」として一般公開されるようになった。土蔵には朔太郎の原稿などが並べられ、当時の様子を知る上で貴重な資料が数多く残る。

 ただ、ばら園内にある施設だけに冬場は来館者が少なく、市が誇る偉人の生家が有効活用されているとは言い難いのが実情だ。

 そこで市は、中心市街地の同市千代田町にある萩原朔太郎記念「前橋文学館」に着目した。同所は本来の生家にも近い上に、周辺の広瀬川河畔緑道には詩碑や銅像も立ち、文学館周辺は市の「文学散歩コース」に位置付けらている。

 記念館を同エリアに移すことで、散在していた朔太郎関連施設が1カ所に集まり「文学のまち」としての特色が打ち出せるのと同時に、市民や観光客が一度に見ることができるなど利便性も高まる。

 市は27年度中に移築先の選定などを進め、28年度中に移転を終了させる。関連事業として文学館1階の改修工事も進め、カフェを誘致するなど一帯の景観整備も行う予定だ。