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「お水送り」の歴史紹介 福井県立若狭歴史博物館で企画展

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「お水送り」の歴史紹介 福井県立若狭歴史博物館で企画展

 若狭から奈良・東大寺へ清水を送る伝統行事「お水送り」の歴史などを紹介する企画展「遠敷と水送り」が、県立若狭歴史博物館(小浜市遠敷)で開かれている。お水送りは市による観光振興の中から生まれたとする説が一時、広まったが、「御食(みけつ)国」と古都・奈良との深い歴史や関係性を改めて示す貴重な史料約20点を一堂に集めた。

 市内の若狭神宮寺に伝わるお水送りは、市が観光に力を入れた昭和36年に誕生したとされていた。水を受ける東大寺でも起源の信憑(しんぴょう)性を疑う声が少なからずあったという。

 今回の企画展では、東大寺が大正15年に発行した『お水取り行法記』の復刻本を紹介。文中には、《音無川は若狭の国小浜町を流れている小川であるが…今尚二月堂へ水を送る式を行っている、明治四十一年の秋、小浜に旅行した時、精しく此の話を聞いた》とある。

 これは東大寺の僧が明治期に小浜を訪れ、お水送りについて見聞した旅行記。芝田寿朗館長は「少なくとも昭和36年以前にお水送りが存在していたことを裏付ける史料だ」と説明する。

 このほか館内には、神宮寺境内で出土した奈良期の土器や、お水送りとのつながりが密接な市内の若狭彦神社や同姫神社を再建した際に使われた儀式道具なども並べられた。

 観覧に訪れた大野市の男性は「展示を通じてお水送りの歴史や関西との結びつきがよく分かる」と話していた。3月8日まで(2月23日休館)。入場料一般300円。