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成田空港建設で自宅強制収用の故小泉よねさん 補償解決へ話し合い合意 千葉

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成田空港建設で自宅強制収用の故小泉よねさん 補償解決へ話し合い合意 千葉

 成田空港建設時に自宅を強制収用された故小泉よねさんの補償が43年間、未解決となっている問題で、国、県、成田国際空港会社(NAA)は3日、よねさんの養子の英政さん(66)夫妻と問題解決に向けて協議を進めることで合意した。長年、補償問題が放置状態だったことについて、県が初めてよねさんに謝罪の意を表した。今後はNAAと小泉さん側の間で、具体的な補償内容などの話し合いを進める。

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 よねさんの家と土地は、現在のA滑走路北側付近にあった。建設反対運動の中で用地取得に手間取ったNAAは早期開港を目指すため、昭和46年2月、県に代執行を請求。県収用委員会の緊急採決により、同年9月に強制収用された。

 よねさんへの補償は収用委の審理、裁決により行われるはずだった。しかし、数日前の代執行の際に警官3人が死亡した事件を受けて、県は収用委の採決を行わず、国とNAAによる話し合いで解決する方針に転換したため、補償については「なかなか審理できなかった」(県の担当者)としている。

 よねさんは48年に66歳で亡くなり、養子の英政さんらが55年、緊急採決処分の取り消し訴訟を起こした。平成12年、国とNAAが過去の経緯を英政さんに謝罪したことで、翌年、最高裁で和解が成立。しかし、この時の謝罪に県が加わっていなかったため、補償問題の解決には至らなかった。

 24年春ごろ、英政さんが「問題をこれ以上、放置しておけない」と県などに協議を申し入れた。

 県は今回の合意に向けて、「小泉さんに対して非常につらい思いをさせることになったことについて、残念であり申し訳ない」と謝罪した。

 同日、県庁で記者会見した英政さんは「国、県、空港会社から全面的な謝罪があり、解決のためのスタートラインにやっと立ててほっとしている」と語った。NAAの夏目誠社長は「このような悲劇が二度と起こらないよう、話し合いを基本に丁寧に進めていくよう最大限の努力をしていく」とコメントした。