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屋根に上らず雪落とし 元自衛官が器具考案 特許取得、お年寄りも安全 青森

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屋根に上らず雪落とし 元自衛官が器具考案 特許取得、お年寄りも安全 青森

 2年ぶりの大雪に見舞われている青森市では、市民生活への影響が出始めている。雪害事故も相次ぐ中、家屋の屋根に積もり、ひさしのように張り出した「雪庇(せっぴ)」を簡単に落とせる器具を、同市旭町の佐々木六雄(むつお)さん(62)が考案した。軽くて女性やお年寄りも楽に扱える便利器具で、特許も取得。雪国の人たちにとっては重宝されそうだ。 

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 元自衛官の佐々木さんは現役のころからものづくりに興味があり、「一生に一度は特許を取ってみたい」と思っていた。こうした中、4年前、雪庇を落としていた友人が屋根から転落する事故が起きた。幸い大きなけがはなかったが、自身も身の危険を感じたことがあり、「屋根に上らずに安全に落とすためにはどうすればよいか」と考え、開発に乗り出したという。

 試行錯誤しながら約1年半かけて完成したのが「雪庇バサッとカッター」だ。重さ約2キロで、最長7・5メートルまで伸びるグラスファイバー製のポールの先端に、ステンレス製のワイヤが張られたU字型の金具が取り付けられている(価格1万9800円)。比較的、軟らかい雪庇にワイヤを当て、手前に引くと落とすことができる仕組み。ポールの先端に漁網用ロープを取り付け、分厚い雪庇にひもをはわせた後、ロープを取っ手に巻き付けて両側から交互に引きながら落とすタイプ(同8千円)もある。取っ手は青森ヒバを使うなど、県産にこだわった。

 昨年9月に特許を取得し、同12月から発売したところ評判を呼び、これまでに同市内や弘前市、むつ市などで約150個売れたという。佐々木さんは「屋根に上る必要がなく、短時間でしかも女性やお年寄りでも簡単に安全に落とせる」とアピールする。

 町内会で購入し、雪庇落としに一役買っている地区もある。青森市浜館地区のあおやま町会副会長で佐々木さんの元同僚、平山清英さん(64)は「危険な屋根に上らなくても良いのが一番。新雪であれば簡単に落とせるのがいい」と太鼓判を押す。高齢化社会の中で、約450世帯ある同地区でも1人暮らしの高齢者や老夫婦が雪下ろしをする姿も見られ、平山さんは「高齢者世帯を支援していきたい」と話す。

 平成25年10月には、県発明くふう展で東北経済産業局長を受賞。佐々木さんは「お年寄りの方たちにも喜ばれている。多少なりとも雪国の人たちのお役に立てればうれしい」と話している。

 問い合わせは、佐々木さん(電)080・2832・5682。(福田徳行)