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平塚駅前商店街のアーケードを来月撤去 管理困難、安全性担保できず

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平塚駅前商店街のアーケードを来月撤去 管理困難、安全性担保できず

 JR平塚駅北口(平塚市)の駅前商店街「みどり会」のアーケードが来月、撤去されることになった。設置から30年近くがたって老朽化が進んでいたが、商店街の空洞化や後継者不足の影響でアーケードの維持管理が難しく、これ以上安全性を担保できないと判断した。同様の決断を迫られた商店街はほかにもあり、かつてにぎわいを見せた駅前の風景が様変わりしようとしている。(古川有希)

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 「一度でも事故が起こればイメージダウンにつながる。今(撤去を)決断するしかなかった」

 駅前で30年以上花店を経営するみどり会の高橋宗一会長(75)は、こうため息をつく。

 みどり会のアーケードは昭和62年に完成した。4カ所に点在し、全長は約230メートルに及ぶ。近くには「湘南ひらつか七夕まつり」で有名な湘南スターモール商店街もあり、駅前一帯がにぎわいを見せていた。

 だが、近年では市郊外に大型商業施設が開業した影響もあって客足が伸びず、閉店する店舗が相次いだ。中には空き店舗のままのケースもあり、みどり会の現在の加盟店数は25店舗に縮小。「お店の入れ替わりが激しく、みどり会の後継者も不足している」(高橋会長)状況だ。

 一方、アーケードは支柱が腐食したり、屋根材が割れたりといった状態がさらに悪化、昨年8月にはけが人はなかったが天井のパネルの一部が剥落する事故も起きた。市商業観光課の担当者は「市民からも雨漏りや落下物への対策を取ってほしいという声が上がり、市としてもみどり会に改善を求めてきた」と話す。

 みどり会は、老朽化するアーケードについて今後の方向性を決める検討委員会を平成24年に立ち上げて協議してきたが、通行人の安全性を最優先しなければいけないとして、撤去を決めた。

 撤去費用は3200万円で、国や市の補助金を活用するほか、みどり会も各加盟店から徴収した修繕積立金などから計1千万円を負担する。

 高橋会長は「大規模改修した場合には7千万円以上かかる上、将来にわたって維持管理ができる保証もない。今できることは撤去しかなかった」と話す。

 市は、アーケード撤去後、商店街に隣接するバス停に上屋をつける計画だ。

 商店街のアーケード撤去をめぐっては、湯河原町の「湯河原駅前通り 明店街」も昨年2月、昭和40年ごろ設置したアーケードを撤去し、街路灯を新設した。

 明店街の村上一夫会長(55)は「これまで改修を重ねてきたが、専門家に見てもらったところ、見えない部分で老朽化が進んでいたことが分かった。アーケードは雨風や強い日差しがしのげ、お客さまが買い物しやすいが、後継者に任せられないし、今のうちに撤去しようという判断になった」と話している。