産経ニュース

痴漢被害、泣き寝入りしないで 埼玉県警、対策周知へ女性会議初の一般公開

地方 地方

記事詳細

更新


痴漢被害、泣き寝入りしないで 埼玉県警、対策周知へ女性会議初の一般公開

 痴漢被害にあっても泣き寝入りしないで-。県警は16日、痴漢犯罪の現状や対策の周知を図る「チカン犯罪を許さない女性会議」をさいたま新都心合同庁舎(さいたま市中央区)で開催し、参加した県内企業に勤務する女性や女子高生ら約300人に「犯人を許さないためにも勇気を持って被害を申し出てほしい」と呼びかけた。(川峯千尋)

                   ◇

 女性会議は毎年開催されているが、今年は幅広く啓発を行おうと、初めて一般公開された。会議では痴漢犯罪の実態のほか、電車の出入り口付近に立たない、女性専用車両を利用する-などの対策を紹介。浦和学院高ソングリーダー部によるパフォーマンスや、浦和第一女子高の風紀委員の「痴漢犯罪を絶対に許さない」宣言などで痴漢犯罪と向き合う機運を高めた。

 ■高1を標的に

 県警鉄道警察隊によると、平成25年に県迷惑行為防止条例違反などで検挙した痴漢犯罪は197件(前年比21件減)で、そのうち約7割に当たる146件は電車や駅構内で発生。被害者は10~20代の女性が8割を占め、電車通学を始めたばかりの高校1年生が標的にされやすいという。

 検挙数は年々減少しているが、同隊への痴漢被害相談数は昨年255件を数え、増加傾向にある。同隊は「一人の被害の裏には何十人もの被害者がいる。相談数の増加は潜在的な被害が減少していないことを示す」と分析。相談は被害者の家族や教諭からのものが多く、被害者本人は「恥ずかしくて言えなかった」「自分さえ我慢すればいいと思った」と相談をためらう傾向があるという。

 ■仕返し恐れて

 相談者には警察官とともに電車に乗り犯人を検挙する「同行警乗」の協力を依頼するが、犯人に顔や乗降駅を知られていることから、仕返しを恐れて拒否する被害者も後を絶たない。一方、犯人は30~40代の会社員男性が多く、「黙っているから同意したと思った」などと身勝手な言い訳をする者もいるという。

 女性会議に参加した静岡県警の女性警察官は、痴漢容疑で逮捕した男が「他にも50人ぐらいやった」と供述したものの、その男に関する相談が一件もなかったエピソードを挙げ、「犯人は『どうせ警察には言わない』とタカをくくっている。他の被害者を出さないためにも、泣き寝入りをしないで」と訴えた。

 同校2年の女子生徒(16)は「自分も胸を触られたことがあるが、痴漢なのか分からず何も言えなかった。もし被害に遭ったら、その場では無理でも身近な人に相談できるようにしたい」と話した。