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【近ごろ都に流行るもの】カジュアルビンテージウオッチ 高度成長期の夢を腕に

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【近ごろ都に流行るもの】
カジュアルビンテージウオッチ 高度成長期の夢を腕に

スイス製とともに国産品も人気だ。セイコースポーツマチック3万2400円(左から2番目)、シチズンホーマー3万1320円(同6番目)、オリエントレディース2万9160円(同8番目)など。好きな革ベルトを合わせての値段=東京都世田谷区「エルオクロック」

 電池式の時計が普及する少し前。1960~70年代の機械式腕時計が、デザインの面白さや手が届きやすい価格で注目され始めた。「カジュアルビンテージウオッチ」と銘打った専門店も登場。レアな高級舶来品がもてはやされるアンティーク時計の世界と違って、セイコーやシチズンなど国産の普及品も人気という。時代は高度経済成長期。モーレツサラリーマンの腕で懸命に時を刻んだであろう時計には、実直な味わいが漂っている。(重松明子)

 東京都世田谷区の小田急線豪徳寺駅北口。古い雑居ビルの一角にある「エルオクロック」を訪ねると、2坪の狭い店に約80点の腕時計が並んでいた。品ぞろえは常時変わるが、スイス製が4、5万から8万円、日本製は3万円台が中心だ。1級時計修理技能士の秋山直人さん(39)が一昨年に開店。「カジュアルビンテージウオッチ」と名付けた60~70年代の時計を集めた専門店である。

 中古卸や交換会で仕入れた時計に修理・オーバーホールを施し、新品の革ベルトとセットで販売。「高級品やレアものでなくても、製造から半世紀近くを経た時計は個性的で、文字盤の焼け具合やデザインが時代を物語っている」と秋山さん。

 ミドルケースとベルトの付け根が一体化した流線形が当時の流行。米航空宇宙局(NASA)アポロ計画での採用で名声を高めたオメガによる「コズミック」というシリーズ、華やかな楕円(だえん)形のラドー「ダイヤスター」といった近未来的な時計の意匠に古き良き時代の夢を感じさせる。

 同店では先月、前年同月比2倍近くの56個を販売した。20、30代男性が客層の中心だが、「初めて腕時計を買う」という人も多い。時間を知るだけなら携帯電話で十分。あえて身に付けるなら「ストーリーのある自分らしい時計を」とのニーズに価格帯も含めてハマった。

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