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那智の扇祭りが国の重要無形民俗文化財に 文化審が答申

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那智の扇祭りが国の重要無形民俗文化財に 文化審が答申

 国の文化審議会は16日、重要無形民俗文化財に、那智の火祭と呼ばれる熊野那智大社の例大祭「那智の扇(おうぎ)祭り」を指定するよう下村博文・文部科学相に答申した。「自然崇拝的な要素があり、日本の固有信仰や祭礼行事を理解する上で重要」と評価された。答申通り指定されると、県内の重要無形民俗文化財は6件になる。

 那智の扇祭りは毎年7月13、14日に行われ、熊野の神々が12基の扇みこしに乗って、ご神体の那智の滝に里帰りする神事。熊野信仰を背景にした祭礼で、太陽をかたどったとされる扇みこしが本殿から那智の滝を目指して渡御し、大たいまつが浄める。浄化再生と秩序回復がもたらされるといわれ、豊穣が祈念される。

 県教委文化遺産課によると、祭りの起源は正確には分からないが、江戸時代にはあったとされる。熊野那智大社を中心に、那智山区や市野々区などの住民によって、古くから伝承されてきた。

 みこしを先導する大たいまつの炎の乱舞が勇壮であることから「那智の火祭」として知られるが、地元では旧来、「扇祭り」と呼ばれている。昭和35年には「那智の火祭」として県指定無形民俗文化財に指定されたが、今回は本来の祭事名で指定されるという。

 県内では平成17年、数え年3歳の子供を地区民として認める「粟生(あお)のおも講と堂徒式」(有田川町)が国重要無形民俗文化財に指定されて以来、10年ぶりの指定となる。

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 那智の扇祭り保存会会長を務める熊野那智大社の朝日芳英宮司は「地元の人々によって伝えられてきた祭りが、登録されることになり大変喜ばしい。那智の田楽が、ユネスコの世界無形文化遺産に選ばれたのに続き二重の喜びです。自然とともにある熊野信仰の大切な例大祭の一つとして守り伝えていきたい」と話した。