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【キラリ甲信越】明間印刷所 おみやげGPでダブル入賞

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【キラリ甲信越】
明間印刷所 おみやげGPでダブル入賞

 ■外国人向け雑貨で市場開拓

 東京ドームで開催中の「ふるさと祭り東京」(フジテレビジョンや東京ドームなど主催)の一環として行われた「おみやげグランプリ(GP)2015」で、明間印刷所(三条市)が外国人観光客向けに開発したインテリア雑貨が「準グランプリ」「クールジャパン賞」の“ダブル受賞”に輝いた。「準グランプリ」は平面から磁石の力で立体になる置物が、「クールジャパン賞」には広げると中心に描いた絵が飛び出すカードが受賞した。同社は2月に成田空港で販売するなどして柱に育てることを目指す。(臼井慎太郎)

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 ◆アイデア評価

 同GPはフード・ドリンク部門とグッズ・ノベルティ部門があり、明間印刷所は全国177社から200点の応募があったグッズ・ノベルティ部門に参加した。

 アイデアや土産としての携帯性などが評価された準グランプリ受賞作が「玉響(たまゆら) 雅(みやび)」(2980円)。

 五角形の半透明の紙12枚からなる「展開図」が、磁石の力で簡単に直径約16センチの正12面体に組み立てられる。中にLEDランプを入れ幻想的な照明を楽しんだり芳香剤のカバーにするなど多目的に利用できる。

 各面は反物をスキャナーで読み取って半透明の紙に印刷し、素材の質感まで感じられるようにした。

 日本を感じる土産として評価されたのが、クールジャパン賞の受賞作「玉響 紙匠(ししょう)」(1980円)。

 縦16センチ、横10・5センチのカードを開くと中央から絵が立体的に飛び出す仕掛けだ。「歌舞伎」「相撲」などが3枚セットになった「日本の伝統」と「萌えキャラ」を3枚集めた「萌ちゃんず」の2種類がある。

 玉響とは日本古来の装飾具「勾玉(まがたま)」が触れ合う際のかすかな響きを表す言葉。同社の明間隆三社長(62)は「玉」を魂の「たま」に置き換え「日本人の魂を響かせられる商品を出したい」との思いで命名した。

 ◆紙加工技術を応用

 同社はGP入賞を目標に平成25年11月から、県の「ものづくり助成金」を活用し商品開発を始動。いずれも同社が持つ平面から立体になる紙加工技術などを応用した。

 雅は「折りたためる紙の立体教材」を算数・数学用教材として生産・販売してきた経験を生かし、「平面のときも立体のときもアートになるインテリア雑貨を考案した」(明間社長)。

 紙匠は、似顔絵が飛び出す「立体色紙」などの技術を利用している。

 土産市場の開拓に挑む背景に、企業の印刷物内製化や活字の電子化を背景に印刷の受注量が年々減少している実情がある。

 「自社製品を発信する『攻めの経営』に転換しなければ生き残れない」。危機感を強めた明間社長は「玉響」シリーズの品ぞろえや販路を広げ、経営の一翼を担う高付加価値のブランドに育てたいと意気込む。当面の売上高目標は2品合計で500万円だ。

 今回の商品開発を支援した奥谷商売研究所(岡山市)の奥谷敦子代表(49)は「視点を変えて自社の武器を確認する姿勢がなければ市場は開拓できない。明間印刷所はそれを実践した」と評価。「企業相手の中小企業でも玉響のような消費者向けブランドを作り自社技術を広報すれば成長の可能性が広がる」と期待した。