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大阪の女性が体験もとに聴導犬をパラパラ漫画で紹介、動画サイトに

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大阪の女性が体験もとに聴導犬をパラパラ漫画で紹介、動画サイトに

 聴覚障害者の生活や聴導犬の役割を紹介するパラパラ漫画を、障害児支援の活動をしているNPO法人「MAMIE」(大阪市淀川区)代表で、聴覚障害者でもある安藤美紀さん(45)が制作し、インターネット動画サイト「ユーチューブ」などで公開した。携帯電話のメール着信音が鳴ると、体に触れて教えてくれるなど、聴導犬の日常的な姿を描写しており、「分かりやすく、絵もかわいい」と早くも反響を呼んでいる。

 制作したのは、生まれつき耳が聞こえない安藤さんの幼少時代を描いた「きこえないことって?」と、平成21年から一緒に暮らしている聴導犬レオンとの触れ合いを描いた「聴導犬って?」の2作品。

 「きこえないことって?」は545枚、「聴導犬って?」は454枚の原画で構成され、計999枚を1カ月がかりで制作した。

 安藤さんは幼いころから絵を描くことが好きで、高校時代には大手出版社の新人漫画賞を受賞。プロの漫画家を目指したこともあったが、耳の障害のために断念した。

 現在は、MAMIE代表として、障害児を対象にしたパソコン教室や学習塾の運営をはじめ、企業のホームページ制作なども手掛けている。

 昨年4月、テレビ神奈川の聴覚障害者向け番組で「聴導犬4コマ漫画劇場」の連載を始めたところ、4コマ漫画の画像が増えたため、パラパラ漫画を動画にして聴導犬の役割を広く伝えたいと発案。動画化のプロジェクトを立ち上げ、費用31万円の募金を呼びかけて実現させた。

 「きこえないことって?」の作品には、耳の聞こえない安藤さんが幼い頃、食事の際に親から「全部のおかずの名前を言えないとあげません」と言われ、必死に言葉を覚えたエピソードなどを紹介。

 「聴導犬って?」の作品では、生後3カ月で捨てられた後、保護されて訓練を受け、安藤さんの聴導犬になったレオンが、安藤さんの背中に寄り添ってメール着信を伝えるかわいい姿などを描いている。

 安藤さんは「聴覚障害は周囲の人には外見から分かりにくく、聴覚障害者が何に困っているかも理解してもらいにくい」としたうえで、「パラパラ漫画を公開して、『聴導犬が手話を理解できることを初めて知った』という声も多くいただいた。さらにたくさんの人に、聴覚障害者や聴導犬のことを知ってほしい」と話している。