産経ニュース

福田・栃木知事新春インタビュー 人を引きつけ、選ばれる栃木に

地方 地方

記事詳細

更新


福田・栃木知事新春インタビュー 人を引きつけ、選ばれる栃木に

 昨年は、2020年の東京五輪、パラリンピックに向けキャンプ地に名乗りを上げ、災害に強いとちぎづくり条例が制定された。一方で指定廃棄物の最終処分場問題は候補地が選定されたが、その後の手続きは進んでいない。地域経済活性化や女性の活躍支援など県の果たすべき役割は多方面に広がっている。今年の次なる一手は? 県の課題や施策について、福田富一知事(61)に聞いた。(鶴谷和章、高橋健治)

                   ◇

 --平成26年は日光国体(冬季大会スケート・アイスホッケー競技会)やねんりんピック(全国健康福祉祭)など、栃木から全国に発信してきました。27年はどんな年にしたいと考えていますか

 「昨年、東京五輪、パラリンピックのキャンプ地に名乗りを上げました。県の強みを生かしたキャンプ地誘致を、今年はさらに進めたい。観光地などでトイレが汚いといった話も聞くので、観光客の受け入れ環境の整備にも取り組んでいきます。また、人を引きつけ、選ばれる栃木をテーマに情報の発信にも積極的に取り組み、国内外に栃木力の発信強化を図りたい」

 --県民の関心の大きい景気や雇用対策はどう進めますか

 「国の取り組みを把握、呼応して2月補正予算で県内経済活性化への取り組みを実施します。雇用創出では、経済効果の大きい企業の本社、研究機関の誘致を進め、中小企業の支援、観光、農林業の活性化にも引き続き取り組みます。また、とちぎジョブモールで若者をはじめ中高年者、障害者らの求職者に対し、厚生労働省労働局と連携し、就労相談やキャリアカウンセリング、職業紹介をワンストップで支援していきます。市町と協力し、国の基金を活用しての緊急雇用創出事業を実施します」

 --昨年は大雪被害や3年連続の竜巻被害がありました。災害への対策は

 「昨年4月に災害に強いとちぎづくり条例を定め、地域防災計画では10月に過去の教訓を踏まえ、被災者生活再建支援制度をつくりました。住民避難については私から直接、関係市町長へ助言する仕組みや大雪時の優先除雪、緊急連絡体制の充実、火山の登山者の安全確保など新たな対応を盛り込みました。『想定外』と言わないよう、防災・減災に全力で対応したい」

 ◆指定廃棄物、総論から各論へ

 --住民の猛反発で進まない指定廃棄物の最終処分場問題。どのように打開を図りますか

 「昨年11月の市町長の会議で、望月義夫環境相が『県内処理の基本方針は見直さない』と明言しました。一方、福島県の内堀雅雄知事に(一部に福島集約論がある)県内の声を伝えたところ『国の方針にのっとり、各県で処理してほしい』とのことでした。改めて地域の理解を得ながら、県内のものは県内で処理することで、県の役割を果たしていきたい。県の有識者会議で候補地選定プロセスを検証していますが、今後は専門的な評価項目を立て、国の基準の適否などを県民に知らせていきます。総論から各論の議論を進め、結果を公表し、不安の払拭に努めたい。仮置き場の指定廃棄物はできるだけ早く、1カ所で処理したい」

 --女性が働く環境の整備や子育て支援は

 「仕事と家庭の両立を応援するため、事業主が宣言した具体的取り組みを県に登録してもらい、それを紹介する事業を実施しています。仕事と家庭の両立応援宣言企業普及事業や事例集の作成、配布などを行っています。また、新年度、子ども・子育て支援制度がスタート。とちぎ子ども・子育て支援プランに新たに結婚支援を加え、結婚、妊娠、出産、子育てを切れ目なく支える環境をつくります。子育て支援は、市町長の要望で子供医療費の現物給付を3歳未満から未就学児まで拡大しました」

 --LRT(次世代型路面電車)など地域交通は

 「民間バスなど地域公共交通は利用者の減少で維持困難になっています。地域に合った公共交通を維持、充実させるには、市町が主体となって交通事業者や地域住民と連携していく必要があります。県は、そうした市町を支援するため、路線バスやデマンド交通の運行費の補助、利用環境の整備、県生活交通対策協議会を通じて生活交通の維持、充実に向けた課題への協議、調整を図ります。宇都宮市と芳賀町が進めているLRTは、東北新幹線やJR、東武宇都宮線をはじめ、広域バス路線や地域の生活交通などと結節することにより、公共交通ネットワーク構築に向け、有効なツール。両市町の取り組みを積極的に支援していきます」

 ◆400年式年大祭、新魅力発見を

 --今年は日光東照宮400年式年大祭の年です。世界遺産でもあり、県にとって大きな観光資源をどう活用しますか

 「大いに世界に情報発信したい。大祭に合わせ、東照宮では、建立当時の陽明門を再現したバーチャル映像を展示する新宝物館が開館し、輪王寺では徳川家康公の400年御遠忌を記念した御位牌(いはい)を初公開するので、日光の新たな魅力を発見してもらえればと考えています。そのためにパンフレットやホームページでの情報発信や、旅行会社向けの観光情報説明会と観光PRキャラバンなどを実施して、県内への誘客を図り、観光客には日光にとどまらず県内を周遊し、長期間滞在してもらいたいと思っています」

 --スカイベリーは本格出荷が始まりました。農業振興はどう進めますか

 「テレビや雑誌、JR山手線の車内広告を活用したプロモーション、タレントを使った県外でのPRに加え、県内でも百貨店や道の駅で試食キャンペーンを展開します。スイーツフェアなどのイベントを開き、スカイベリーがイチゴ王国のトップブランドの地位を獲得できるよう、品質向上、生産量拡大に取り組みます。スカイベリー、栃木和牛、コメのなすひかりを県のリーディングブランドに位置づけたので、特徴ある商品作りや販路拡大に向け、ブランド力強化策に取り組んでいます。イチゴのなつおとめやナシのにっこり、リンドウのるりおとめなど県農業試験場開発の品種も、県のオリジナルブランドとして売り出し、国内、海外の販路拡大に結びつけたい」

 --個人的な今年の抱負はありますか

 「今年は未年。平穏で、栃木県が富む1年になるよう、私もその役割を担っていきたい。県庁の9階まで毎日階段を上って足腰を鍛え、男体山の頂上で拝んでくるのが今年も目標です」