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「花燃ゆ」効果期待 萩・防府に大河ドラマ館開設へ

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「花燃ゆ」効果期待 萩・防府に大河ドラマ館開設へ

楫取素彦と文(後の美和子)が眠る墓=防府市桑山の大楽寺

 吉田松陰の妹、文(ふみ)を主人公にしたNHK大河ドラマ「花燃ゆ」の放映が来年1月4日に始まる。文が生まれ育った山口県萩市と、晩年を過ごし、文のお墓もある同県防府市には1月11日、大河ドラマ館がオープンする。両市の関係者は「日本海に面する萩と、瀬戸内海に面する防府は同じ山口県でも雰囲気がまったく違う街。この機会に両市の深い歴史に触れてほしい」と花燃ゆ効果に期待する。

 萩市には文の兄、松陰が主宰した松下村塾のほか、師範として教鞭(きょうべん)をとった明倫館、海外渡航に失敗し投獄された野山獄、松下村塾で高杉晋作と「竜虎」「双璧」と称された文の最初の夫、久坂玄瑞の生誕地など数多くのゆかりの地が残っている。

 「文と萩物語」と名付けられたドラマ館は、藩校明倫館跡地に建つ旧明倫小学校体育館にできる。500平方メートルの館内には、文が育った杉家の台所や松下村塾のセットに加え、ドラマで使われた衣装や小道具を紹介するコーナーも設置される。

 萩市は昭和52(1977)年の「花神」以来の大河の舞台となる。昨年7月の集中豪雨災害の影響で、平成25年の観光客数が前年比6・1%減、宿泊客数も同6・7%減だった。それだけに38年ぶりの大河への期待は大きい。

 入館料大人500円、小・中学生200円で、1年間で40万人の入館者を見込む。同市大河ドラマ推進室では「軍師官兵衛の姫路のドラマ館の入館者60万人に比べるとかなり少ないが、小さな街なので期待は、はるかに大きい」と語った。

 文は歴史上、禁門の変で玄瑞が自決後、楫取(かとり)素彦と再婚する。楫取は藩医松島家の次男として萩で生まれ、維新後は新政府に出仕し、初代群馬県令(現在の県知事)となり、群馬県の産業振興に尽力した。2人は終の棲家に防府を選び、同市桑山の大楽寺に眠っている。

 この防府市の大河ドラマ館「文の防府日和。」は、ルルサス防府2階の多目的ホールにオープンする。ドラマ制作の裏方を体感できる記念撮影スポットや、晋作や坂本龍馬が密議を交わしたとされる英雲荘のジオラマ、三田尻(現・防府)の街を闊歩(かっぽ)する志士の様子をCGで再現した映像など、大河ドラマの世界観を体験できる。文や玄瑞の直筆の手紙も期間限定で展示される。

 入場券は大人500円、小中校生200円。ドラマ館と「防府天満宮」「英雲荘」「毛利博物館」の4館共通の「ほうふ志士闊歩入場券」(1000円)もあり、防府市の花燃ゆ推進室は「4館を回れば防府の長い歴史がわかるお得なチケットです。今後は萩と防府の2つのドラマ館が連携して『花燃ゆ』を盛り上げていきたい」と語った。

 萩と防府は江戸時代に、街道「萩往還」で一直線に結ばれた。平成30年の明治維新150年を控え、来年はドラマが両市を結ぶ。

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【用語解説】花燃ゆ

 井上真央さん演じる吉田松陰の妹の文(後の美和子)を軸に、幕末から明治にかけ激動する長州藩の運命に翻弄される男女を描く。文は無名だが、周囲を取り巻く男たちの知名度は高い。兄の松陰を伊勢谷友介さん、高杉晋作を高良健吾さん、最初の夫である久坂玄瑞を東出昌大さん、再婚した小田村伊之助(後の楫取素彦)を大沢たかおさんが演じる。