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「過度なリハビリで症状悪化」ALS患者、医療法人などを損害賠償提訴 奈良

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「過度なリハビリで症状悪化」ALS患者、医療法人などを損害賠償提訴 奈良

 神経が徐々に侵され、全身の筋肉が動かなくなる厚生労働省指定の難病、筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう、ALS)を患う奈良市の嘱託社員、柳田修身さん(62)が17日、病院でのリハビリで症状が悪化したとして、「西の京病院」(奈良市)を運営する医療法人「康仁会」や、「天理よろづ相談所病院」(奈良県天理市)を運営する公益財団法人「天理よろづ相談所」などを相手取り、約1570万円の損害賠償を求める訴訟を奈良地裁に起こした。代理人弁護士によると、ALSの患者がリハビリをめぐり訴訟を起こすのは初めて。

 訴状によると、柳田さんは平成24年末から右手中指にしびれを感じ、よろづ相談所病院を受診。ALSと診断され、紹介を受けて西の京病院で25年10月からリハビリを受けた。

 だが、ALS患者は筋肉に過度な負荷をかけると筋力低下を招くとされているにもかかわらず、リハビリ内容は両上肢・両手指への集中的な筋力トレーニングだったため、約3カ月半のリハビリの結果、ドアの開閉やペンを握ることすら困難になるなど、状態が急激に悪化したとしている。

 ALSは有効な治療法がなく、進行性のため症状が軽くなることはないとされる。会見した柳田さんは、「平均余命は3、4年なので、先が長くないことは自覚している。この訴訟が全国で苦しむALS患者の治療法をもっと丁寧に考えてもらうきっかけになれば」と話した。

 西の京病院は「今の段階ではコメントできない」、天理よろづ相談所は「訴状が届いていないのでコメントを差し控える」などとしている。