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【日本の議論】過激「ジェンダーフリー条例案」否決から11年 唯一「男女共同参画推進条例」がない千葉県の今は

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【日本の議論】
過激「ジェンダーフリー条例案」否決から11年 唯一「男女共同参画推進条例」がない千葉県の今は

全国の都道府県で唯一、男女共同参画推進条例がない千葉県の県庁議会棟。かつて行き過ぎたジェンダーフリー条例が議論された=千葉市中央区(大島悠亮撮影)

11年前は女性の「自己決定権」が妨げに

 堂本元知事の肝煎りで14年9月議会に提出された条例案は「子供を産む産まないは自ら決定できる」という内容が盛り込まれたほか、女性の雇用に積極的な企業を県が工事請負などで優遇するなどの規定が盛り込まれた。これらの内容に「行き過ぎたジェンダーフリー条例案」などとして自民党県連から問題視する声が上がり、この議会では継続審査となった。

 県側は自民党県連の反対を受けて、一部の条文を削除するなど修正したが、生む生まないの自己決定に関する部分は修正しなかった。自己決定権が認められれば、中絶などを夫の同意なく女性のみの判断で決定できるおそれもある。修正されなかったことを受けて、自民党県連は翌15年の2月議会で対案を提出。その結果、両案ともに継続審査となり、同年4月に県議選が執行され、いずれも廃案になった。

 「女性の生む生まないの自己決定権は堂本さんが『どうしても入れたい』と考えていた。(反対が強いので)『譲ってもいいんじゃないか』と進言したこともあったが、堂本さんが首を縦に振らなかった」。13年から県男女共同参画推進懇話会の条例専門部会の部会長を務めた渥美雅子弁護士は当時をこう振り返る。

 渥美弁護士は「廃案になった際、『条例がなくても具体的に(男女共同参画の推進を)やろうとすればできる。条例はあきらめて具体的事例を積み上げていこう』という話になった」ことも打ち明けた。事実、その後に新たな条例案が上程されることはなかった。