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高松「屋島寺」周辺で野生の子ダヌキが出没、人気者に

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高松「屋島寺」周辺で野生の子ダヌキが出没、人気者に

 香川県高松市の四国八十八カ所霊場・第84番札所「屋島寺」周辺で、野生の子ダヌキ数匹がほぼ毎日、姿を見せ、地域住民や観光客らの“人気者”になっている。

 「あ、出てきた」。午後4時ごろ、住民が見守るなか、近くの雑木林から子ダヌキ2匹が姿を見せた。土産品店「扇誉(せんよ)亭」にチョコチョコと向かってくる。店内にある「ギャラリーアコスタージュ」のウッドデッキがタヌキ出没スポットだ。

 2匹は体長40センチほどで茶色と黒色の毛並み。今年9月ごろから、屋島寺周辺で確認されるようになった。警戒心が強くないようで、最近では同店庭の垣根をくぐって庭に現れ、ウッドデッキで餌をねだるしぐさをみせている。

 「四国狸(たぬき)の総大将『太三郎狸』が戻ってきたんだと思い、『太郎』『三郎』と名付けました」と同店の馬場弘美さん(71)。屋島では、空海(弘法大師)が四国八十八カ所霊場を開創した頃、霧深い山中で道に迷った際、老人に化けたタヌキ「太三郎狸」が山上まで案内してくれたという伝説が残る。

 屋島寺には、「太三郎狸」と呼ばれる土地の氏神・蓑山大明神が祭られており、境内には大きなタヌキの像(高さ約3メートル)が2体設けられている。観光などで同店に立ち寄った家族連れやお遍路さんたちは「かわいい!」、「野生のタヌキなんて初めて見た!」と言いながら、記念写真をとるなどして愛嬌を振りまく子ダヌキとの一時を楽しんでいる。ギャラリーの手伝いをしている鈴木忠さん(68)は、「庭やウッドデッキは居心地がいいんでしょうか、窓を開けていると、店内まで入ってきますよ」と笑顔で話す。

 人慣れした野生動物への安易な餌付け行為などは動物にも人にも不幸な結果を招くともいわれているが、ここ屋島の“交流”に関しては別のようで、野生動物と人間との付き合い方はそれぞれのようだ。