産経ニュース

魅惑の工業デザイン一堂に 「榮久庵憲司の世界展」開幕 広島県立美術館

地方 地方

記事詳細

更新


魅惑の工業デザイン一堂に 「榮久庵憲司の世界展」開幕 広島県立美術館

 広島とのゆかりが深い工業デザインのパイオニア、榮久庵憲司さん(85)の業績を紹介する「広島が生んだデザイン界の巨匠 榮久庵憲司の世界展」が18日、広島市中区の県立美術館で開幕した。しょうゆの瓶から鉄道車両まで、戦後日本の工業デザインをリードしてきた製品やアイデアが展示されている。12月23日までで、今月23日には栄久庵さん本人が講演する。

 榮久庵さんは東京生まれだが、昭和20年に海軍兵学校に入学し、終戦後は福山市に転居。県立福山誠之館中学校(現・福山誠之館高校)から東京芸術大学に進み、卒業後間もなく「GKインダストリアルデザイン研究所」を設立して国内の工業デザイナーの草分けとして活躍してきた。

 その作品はだれもが目にしたことのある「キッコーマン」の卓上しょうゆ瓶、「ヤマハ」のオートバイ、広島市を走るアストラムラインや路面電車をはじめとする車両など多種多様。会場には、ヒットした商品や試作品、未来に向けて提言している構想など70作品以上が並べられている。

 開催にあたって、榮久庵さんは「デザインの世界に進むことになった原点は、被爆直後の広島で見た『ものが死んでいる』光景。人間と人間が作った『もの』とが調和する社会を取り戻すことに尽くしたいと、痛切に思った」と、自身の活動と広島との関わりを述べた。

 同展の特別協力として、「マツダ」のコンセプトカーや来年発売の新型ロードスターが並ぶ「Mazda Design クルマはアート」、広島市立大学芸術学部による卒業制作作品の展示も同時開催されている。

 午前9時~午後5時。会期中無休。入館料1200円(高校・大学生900円、中学生以下無料)。問い合わせは広島県立美術館(電)082・221・6246。