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【千葉県民の警察官 受章者の横顔】(上)印西署生安係長 門馬正志警部補

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【千葉県民の警察官 受章者の横顔】
(上)印西署生安係長 門馬正志警部補

 ■「警察と住民のパイプ役に」 

 県民の財産と安全を守るため、日々職務に精励する警察官をたたえる「第45回千葉県民の警察官」(産経新聞社主催、県警本部主管)の表彰式が21日、千葉市中央区の京成ホテルミラマーレで行われる。受章が決まった3人の実績や職務への思いを紹介する。

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 還暦を迎えて勇退が間近に迫る中、時間を惜しむかのように管内の住民の話を親身に聞き続けている。捜査畑が長かったせいか、職場から「顔が怖い、声が大きい」と評される特徴を生かして、印西署の勤務となって5年半、高齢者を対象にした振り込め詐欺の被害防止を目的にした寸劇で犯人役も演じる。「少しでも犯罪に遭う被害者を減らしたい」。35年を超える警察人生、集大成の時期を迎えている。

 宮城県亘理(わたり)町出身。警察官だったおじや実家近くの駐在所の「お巡りさん」は、「おっかなかった」。会うときには正座して待っていたという。都内の大学で民事訴訟法などを学び、昭和54年、自らも千葉県警の巡査を拝命した。

 「上司や同僚に本当に恵まれた」と振り返る。61年ごろの柏署勤務時代、深夜の当直時に上司からの助言もあり漠然と憧れていた捜査部門に進むことを決意。平成2年には船橋東署防犯課(現生活安全課)に所属し、捜査部門でのキャリアを歩む。

 県警本部の環境犯罪課時代には、産業廃棄物を取り巻く多くの難事件を解決に導いてきた。19年には、八千代市でクリーンセンターの職員が、業者から金銭の提供を受けて、ペンキなどの塗料を不法投棄した事件の解決に尽力した。20年には「おから」の不法投棄事件で1都5県の約40業者を摘発するなど、大きな事件にも関わってきた。

 21年、現在の印西署勤務になると、捜査の枠にとどまらず、住民に身近な事件の「抑止」も担当することになった。「話を聞いていると、いろいろな相談がある。『世の中が変わったなあ』と思った」

 こうした情勢を踏まえ、高齢者に対しては、多彩な振り込め詐欺の手口を心に刻んでもらおうと寸劇を披露する。アドリブが多いという演技は、捜査部門で多くの犯罪者と対峙(たいじ)してきた経験が生きたもので、「心に残る」と好評だ。管内の小中学校では不審者への対応など、さまざまなケースを想定した防犯講話を行う。

 署に来て5年以上がたち、「門馬さんを頼って相談に来る人は多い。管内に知らない人はいないのではないか」(同署幹部)といった声が聞かれるほど、多くの人に会ってきた。相談内容は男女関係や財産の相続問題など多岐にわたる。

 「あと2カ月ちょっとの警察人生。時折、万感の思いも感じますが、引き続き警察と住民のパイプ役になっていきたい」。今日も多くの住民と向かい合っている。(山本浩輔)

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【プロフィル】もんま・まさし

 宮城県亘理町出身。昭和54年3月に巡査を拝命し、新東京国際空港警備隊、柏署、環境犯罪課(現生活経済課)などを経て平成21年3月から現職。東日本大震災時には、実家も被災した中、印西署管内の避難所で親身に相談を聞いて回った。妻、京子さんと息子1人、娘3人の6人家族。