産経ニュース

大乗寺の大クス山門大接近 兵庫

地方 地方

記事詳細

更新


大乗寺の大クス山門大接近 兵庫

今回の測定で4センチに縮まった山門と大クスの隙間=香美町香住区の大乗寺

 香美町香住区の名刹(めいさつ)「大乗寺」のクスノキの巨木が成長を続け、山門の屋根瓦と幹との距離が4センチに接近していることが7日、樹木医のクスノキの測定でわかった。平成19年の測定で約10センチだった隙間は、1年にほぼ1センチずつ接近。4年後には接触し、そのまま放置すると山門は倒壊する恐れがあるという。

 大乗寺は江戸期の画家、円山応挙とその一門が客殿に「障壁画」を描き、「応挙寺」と呼ばれる。障壁画は国の重要文化財、山門(高さ約5メートル)は県指定文化財、樹齢約800年のクスノキ(高さ約28メートル、幹回り6・55メートル)は町の天然記念物に指定され、「大乗寺の大クス」として親しまれている。

 神戸建築文化財研究所が平成19年6月にまとめた「大乗寺山門に対するクスの影響と対策について」によると、「根による山門の隆起が見られ、山門と幹との隙間は約10センチに接近し、将来的には接触、屋根を破損する危険がある」と指摘している。

 朝来市の樹木医の宮田和男さん(73)らが10月11日に測定したところ、山門と幹との隙間はさらに接近し、わずか4センチだった。宮田さんは「このままでは4年後に、屋根瓦と大クスの幹は接触することになる」と危機感を強めている。

 しかし、巨木の移植は実質的に不可能。幹を削ると幹内部に腐朽が進行することにもなり、宮田さんらは「最もよい方法は山門を移設することだろう。今後、隙間の継続的な観察が必要」とアドバイスする。

 大乗寺の関係者は「山門は上からの力には強いが、横の力には弱い。今すぐにはどうすることもできないが、山門も大クスも寺の大切な文化財でもあり、両方を生かす方法を考えていきたい」と話している。