産経ニュース

後楽園の対岸のサクラ並木ピンチ 国・岡山市などが整備始める

地方 地方

記事詳細

更新


後楽園の対岸のサクラ並木ピンチ 国・岡山市などが整備始める

 岡山後楽園の対岸約1キロにわたる桜並木「旭川さくらみち」の景観を保全しようと、岡山市と国土交通省中国整備局岡山河川事務所などが今月から「旭川かわまちづくり」計画をスタートする。護岸を整備し、倒木のおそれがあるサクラを植え替えるが、北側300メートルの約50本は河川法に違反した状態で植え替えが困難で、積み残される。打開策はなく、倒木が進めば、並木の3割が失われる可能性もある。

 同計画は国の「かわまちづくり支援制度」を活用して行う事業。国の護岸工事は27年度まで、岡山市の歩道整備が28年度まで行われる。さらに岡山商工会議所と同市がサクラの植え替えなどを実施する。

 「さくらみち」は昭和32年に地域住民が植えたソメイヨシノ141本が約1キロ続き、毎年10万人以上が訪れる花見の名所。しかし、植樹から60年近くを経て9割以上が寿命を迎え、倒木で堤防の欠損が危ぶまれてきた。

 河川法では、氾濫(はんらん)を想定した「計画高水位」まで護岸し、そこから1・5メートル離れた場所からしか植樹できないとの基準がある。同並木は護岸がなく距離も足りず、現状は違法な状態。このため、メンテナンスや植え替えなどがほとんどできなかった。そんな現状を知った地元住民らが「さくらみちの桜を守る会」を結成し、市などに整備を働きかけてきた。

 今回の3カ年計画で新たに護岸を整備することで、法基準をクリア。植え替えが可能になる。国の護岸事業費は初年度約6千万円。適法になった並木は、市が2年間かけて植え替えなどを行い、事業費は5000万円~2億円という。

 だが3カ年計画で“合法化”されるのは南側約700メートルのみ。北側300メートルは違法状態で積み残された。倒木が進めば、並木の3割が失われることになる。

 同事務所は「南側と構造が違うため、護岸工事では対処できない。手法を検討中だが、今回の計画からは漏れた」と説明。同市は「国の検討結果を待っている。現状は植え替えなど白紙」という。