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津に「小津安二郎記念碑」来年3月建立計画

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津に「小津安二郎記念碑」来年3月建立計画

 日本の映画の巨匠、小津安二郎(明治36年-昭和38年)をたたえる記念碑を三重県津市大門の津観音境内で建立する計画を28日、津市役所で元県教育長の田川敏夫さんらが発表した。小津の母が津市出身で思い入れも深く、田川さんらの建立委員会が来年3月の除幕を目指し、500万円を目標に協賛金を募る。

 石碑で幅1・2メートルから1・4メートルの主碑と金属パネルを埋めた副碑を予定し、詳細は11月中に決める。碑文には、小津が市内にあった陸軍久居33連隊に短期入隊した際、津市東丸之内の母、あさゑの実家で遊んだ様子を昭和2年9月に旧友に宛てた手紙にあった「おいなされ 又このつぎに 彼岸草」という句を採用し、署名は自筆を使う。

 津市を走っていた軽便鉄道の線路脇に咲く彼岸花を伊勢弁の方言交じりに詠んだ句で、この情景は昭和33年に公開された名作「彼岸花」にも影響を与えた。

 小津は伊勢市の旧制宇治山田中(現在の県立宇治山田高)出身で、少年期に住んだ松阪市愛宕町の自宅跡に資料館「小津安二郎青春館」があり、作品脚本、写真などを展示。あさゑの実家は津の有力な商人で庄屋、医師の家系を持ち、少年時代の安二郎は津観音の周辺で遊び、映画を見たりした。

 映画評論家の吉村英夫さんが、碑文に入る句を紹介した同級生らの自費出版本「小津安二郎君への手紙」のコピーを入手。世界の映画監督が選ぶ名作1位に小津の「東京物語」が選ばれたのをきっかけに、句を碑文にした碑の建立計画が持ち上がり、委員会を3日に結成した。田川さんは「除幕式には映画関係者も招き『彼岸花』の上映会など記念イベントを開き津市を今後の文化継承事業の発信源にしたい」と話した。