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【栃木この人】楽天4位指名の白鴎大・ルシアノ・フェルナンド選手

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【栃木この人】
楽天4位指名の白鴎大・ルシアノ・フェルナンド選手

 ■ブラジルの誇り背にプロへ

 「(ヤクルトの)バレンティン選手のシーズン本塁打記録(60本)を破りたい」。プロ野球新人選手選択会議(ドラフト)で、昨年の日本一チーム、楽天から4位指名を受け、力強くそう宣言した。

 「自分で言ったからには達成しないわけにはいかない」という覚悟を込めた言葉だ。「強い気持ちがあったから、夢だったプロから指名をもらえた。絶対に折れない気持ちがあれば、どんなことでもかなえられる」。そう信じているから高い目標も物おじせず、口にした。

 白鴎大の藤倉多祐(かずまさ)監督は「今、日本では少ない右の強打者。逆方向へ強い打球を飛ばせる才能を持っている。プロでもその力を十二分に発揮してほしい」と期待する。

 5歳のとき、両親とともにブラジルから群馬県太田市に移住。小学4年で野球と出合った。すぐに頭角を現し、中学の頃にはプロを意識するようになった。「結果が出るので打席に立つのが楽しくて仕方なかった」と振り返る。

 一方で「ブラジルと日本の文化の違いに苦しむことも多かった」と話す。ブラジルではスポーツは楽しんで結果を出すものだが、日本では規律や礼儀を重んじ、上下関係や指導に対して忠実であることを求められる。ギャップは簡単に埋まらず、「両親も随分心配してくれた」という。

 しかし、日本式の指導を受けたから今があると感じている。「日本人選手は心が強い。厳しい指導が自分も育ててくれた」。桐生第一高(群馬県桐生市)では2度の骨折で試合に出られなかった。大学に入ってからは木製バットに適応できず、打てない日々が続いた。そんなときも強い気持ちで乗り越えられた。

 日本育ちの心の強さとともに「自分の体に流れるブラジル人の血に誇りを持っている」という熱い一面も見せる。「WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)でブラジル代表の4番に座る」ことも目標の一つだ。

 楽天に入団すれば、白鴎大の先輩である岡島豪郎(たけろう)選手と外野のポジションを争うことになる。新人が1軍に上がることも簡単ではない。それでも「プロに入るからにはチームを引っ張る打者になる。それが育ててくれた両親への恩返し」。ブラジルの誇りを背負ったサムライが、新たな一歩を踏み出す。(桑島浩任)