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日本シリーズで乗客アップ 福岡

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日本シリーズで乗客アップ 福岡

CSを勝ち抜き、胴上げされるソフトバンクの秋山監督。日本シリーズでも胴上げが見たい=20日、ヤフオクドーム(中鉢久美子撮影)

 日本シリーズが25日に開幕し、福岡ソフトバンクホークスが日本一をかけて、阪神タイガースと対戦する。人気球団だけに、ファンの大量移動が見込まれる。同一カードで「山陽新幹線シリーズ」と呼ばれた平成15年(当時はダイエーホークス)は、両チームが、それぞれの本拠地でしか勝てない“内弁慶シリーズ”でもあり、最終7戦までもつれ、新幹線の利用者が増加した。快勝を祈るファンの手前、大きな声では言えないが、JR西日本は再来を願う?!(大森貴弘)

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 15年10月18日、福岡ドーム(現ヤフオクドーム)で、タイガース対ホークスの日本シリーズが幕を開けた。ホークスは5-4でタイガースを振り切ると、翌日の2試合目も快勝。ところが、舞台を阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)に移した3戦目以降、3連敗。再び福岡ドームに戻った6、7戦に連勝し、4勝3敗で日本一を達成した。

 7日間に渡って繰り広げられた戦いにファンは熱狂し、ヤフオクドーム(収容人数3万8千人)、甲子園球場(同4万7千人)は連日満員だった。

 この恩恵を受けたのが、両チームの本拠地、福岡と関西を結ぶ山陽新幹線だ。JR西は、垣内剛社長(当時)自ら「山陽新幹線シリーズ」と命名し、新幹線の先頭と最後尾に、両球団のロゴをつけた特別列車まで走らせた。子会社の日本旅行は、のぞみ往復と宿泊をセットにした観戦ツアーを販売し、瞬く間に売り切った。

 シリーズ期間中(10月18~27日)の山陽新幹線乗車人員は前年同期比4%増。10月の月間乗車人員も、前年同月を2%上回った。わずか7日間の開催で1カ月分の乗客を押し上げたといえる。

 実際、日本シリーズの経済効果は大きい。

 福岡県調査統計課によると、平成23年、ホークスが4勝3敗で中日ドラゴンズを下し日本一になったときの、経済波及効果は388億円に上った。今回、ホークスが4勝3敗で制した場合、ファンの飲食や交通費に加え、優勝記念セールの売り上げやパレードなどの優勝記念行事、テレビ放映権やスポーツ新聞の売り上げ増など合わせると、最大404億円の経済効果が見込めるという。

 JTB九州によると、ヤフオクドームで試合がある28、29日、福岡市内の宿泊施設はほぼ満室状態となり、宿泊者数は前年同期の約2倍に達する。同社広報室は「満室状態でもハイクラスのホテルは一部空きがある可能性もある。これから観戦を予定している人は、ぜひ相談してください」と呼びかける。

 今回、JR西が密かに願うのは、15年同様の内弁慶シリーズだ。クライマックスシリーズから、日本シリーズまで日数が少ないため、特別列車は走らせないが、シリーズが長引けば長引くほど両球場を行き来するファンが増え、山陽新幹線に呼び込める-とそろばんをはじく。

 JR西広報部は「のぞみ高く、ひかり輝くプレーで、歓声がこだまする試合を期待します!」とコメントし、両球団の健闘を祈りつつ、ちゃっかりと新幹線のPRにも余念がない。

 日本シリーズは25、26日甲子園、28~30日ヤフオクドーム、11月1、2日甲子園の日程で実施される。