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「子供の性被害」条例めぐり賛否 長野県主催タウンミーティング

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「子供の性被害」条例めぐり賛否 長野県主催タウンミーティング

 〈長野〉子供の性被害防止に向けた課題や現状などについて意見交換を行う県主催のタウンミーティングが19日、松本市の県松本合同庁舎で開かれた。市民ら約40人が参加し、47都道府県で長野県だけ制定されていない淫行禁止処罰規定を盛り込んだ「青少年保護育成条例」制定の是非や、学校での性教育の重要性などに関する議論が行われた。タウンミーティングは、県が子供の性被害防止対策に向けて、県の対応方針案として9月末に公表した「子どもを性被害から守るための県の取り組み案」を基に進められた。

 阿部守一知事は冒頭、「パブリックコメントと今回の議論を参考に、必要であれば取り組み案に修正を加えていきたい。子供たちを守るために有意義な議論を期待している」とあいさつ。その後、県長寿社会開発センター理事長などを務めるフリージャーナリストの内山二郎氏が進行役となって議論が進められた。

 出席者からは「子供は判断能力が未熟なので、大人を自制させるために条例を制定すべきだ」との一方、「条例を制定しても被害は減らない。子供が自分で善悪を判断できるように教育環境を充実させるべきだ」などの意見も出て、淫行処罰規定を盛り込んだ条例制定をめぐっては、賛否が分かれた。また、現在の性教育が子供の性被害防止に不十分だという参加者からの指摘に、阿部知事が「子供が性被害に遭わないための教育を行っていくことは、取り組み案の中でも示している」と述べ、県教育委員会の担当者は「子供による発達段階の違いを考慮し、必要な生徒に対しては個別指導を充実させている」と説明した。

 一方、阿部知事は「条例イコール罰則ではない」とし、県が議論している案は淫行処罰規定だけでなく、性被害の予防や被害者支援なども含む内容であることに理解を求め、「子供の性被害防止の問題は転換期にきている。皆さんの意見を受け止め、多くの人が同意できる取り組みにしていく」と強調した。

 参加した茅野市の主婦(56)は終了後、「子供の性被害防止対策について県は足踏みしている気がする。一般の意見を参考にして議論を前に進めてほしい」と話した。