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東海道新幹線開業50年 静岡駅でも出発式 鉄道ファンら100人祝福

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東海道新幹線開業50年 静岡駅でも出発式 鉄道ファンら100人祝福

 東海道新幹線は1日で50周年を迎えた。JR静岡駅では、上り線始発列車「こだま700号」の出発式が行われ、鉄道ファンら約100人が新たな門出を見守った。大きな節目を迎えた「夢の超特急」はさまざまな思いを乗せ、次の半世紀に向けて走り出した。

 ◆大きな節目

 午前6時22分。JR静岡駅の新幹線上り線ホームで、川崎正敏駅長が右手を挙げて出発の合図を出すと、始発列車の「こだま700号」が大きな汽笛の音を上げてホームを滑り出た。出発式に招かれた、東海道新幹線と同じ昭和39年生まれで、焼津市に住む佐藤龍男さん(50)は「子供の頃は新幹線が憧れの存在だった」。静岡市葵区の藤田あさみさん(62)は「母と2人でよく新幹線に乗ったことが忘れられない」とそれぞれに新幹線の思い出を語った。

 東海道新幹線は最高時速200キロを超える世界初の高速鉄道として、開業当初は中間駅を10駅に限定。県内には熱海、静岡、浜松の3駅が設置された。地元の要望を受け、5年後の昭和44年に三島駅が初の請願駅として誕生。旧国鉄が民営化された翌年の63年には、新富士駅と掛川駅が開業し、県内6駅の周辺では工業団地の誘致や教育機関の進出が進んだ。JR東海の長田豊副社長は「新幹線は日本企業の技術が結実したもの。都市間を結ぶ大動脈として、日本の経済や社会を牽引(けんいん)してきた」と半世紀の歩みを振り返った。

 ◆特別な思い

 出発式には多くの鉄道ファンが写真撮影に詰めかけたが、中には特別な思いを抱いてこの日を迎えた人も。静岡市清水区の金子登志子さん(46)は、夫の善計(よしかず)さん(50)が東海道新幹線の保線業務をしており、長男の陽裕さん(19)も今春JR東海に入社。陽裕さんは現在静岡駅で駅員として勤務しており、出発式では運転士らに花束を贈呈する大役を果たした。金子さんは新幹線の開業以来、乗車中の客の死亡事故が起きていないことにふれ、「息子にも安全第一の精神を引き継いでいってほしい」と話した。

 「新幹線より半年だけ先輩です」という藤枝市の山内達仁(たつひと)さん(50)は、学生時代に新幹線の食堂車でアルバイトをして以来、「自分の人生と新幹線を重ね合わせてきた」。ホテルマンとして長く第一線で働いてきたが、現在は高齢者や障害者の旅行をサポートする旅行ヘルパー業を営んでいる。「新幹線にも車椅子のまま乗車できる車両ができた。もうスピードだけを追い求める時代じゃないね」と軽やかに笑った。