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「風化させず被害者支援を」 グアム無差別殺傷で茨城の遺族ら

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「風化させず被害者支援を」 グアム無差別殺傷で茨城の遺族ら

 グアムで日本人3人が死亡した無差別殺傷事件で、加重殺人などの罪に問われたチャド・デソト被告(22)に25日、仮釈放の認められない終身刑が言い渡されたのを受け、事件で亡くなった潮来市の横田仁志さん=当時(51)=の自宅では遺族や友人らが横田さんの遺影に手を合わせて報告した。

 横田さんの妻で、自身もデソト被告の車にはねられて重傷を負った美智子さんはこの日午前、知人を通じて判決言い渡しの知らせを受け、「デソト被告にも家族がいるだろうが、ずっと刑務所に入っていても生きていることは想像できる。私は、夫が生きているところを想像できない」と率直な思いを訴えたという。

 美智子さんは事件で顔や両足などを骨折、約1年間の入院を余儀なくされた。退院後はリハビリに励み、今年6月にホームセンターでの仕事に復帰したが、今もつえを使う生活が続いているという。裁判には被害者遺族として出廷し、夫を失った悲しみや悔しさ、事件後の家族の生活の様子などについて意見陳述した。

 横田さん夫妻の同級生で、国や自治体に海外犯罪被害者への支援制度導入を求めてきた羽生唯仁さん(53)は「刑が軽くても、重くても、残された人たちの悲しみや苦しみは変わらない」と指摘。「事件からもう1年半以上たつが、風化させてはいけない。海外で起きた事件、事故に巻き込まれた邦人への支援を少しでも早く法制化すべきだ」と訴えた。

 ◇

 ■グアム殺傷事件の経過

 平成25年

 2月12日 米領グアムの繁華街で午後10時ごろ、チャド・デソト容疑者が歩道を車で暴走した後、ナイフで人々を襲撃し、栃木県栃木市の上原和子さんと孫の杉山利恵さんが死亡

   14日 車にはねられて重体だった潮来市の横田仁志さんが死亡

   21日 デソト容疑者を加重殺人などの罪で起訴 27日 デソト被告が罪状認否で無罪を主張

   26年

 6月16日 陪審員が選定され、公判開始。被告側は心神喪失状態で責任能力がなかったとして無罪を主張

   23日 横田さんの妻、美智子さんら日本人被害者が初めて出廷して証言    30日 杉山さんの夫が証言

 7月16日 検察が最終意見陳述

   17日 弁護側が最終意見陳述し結審

 8月 4日 陪審が有罪評決

 9月25日 グアムの裁判所がデソト被告に仮釈放なしの終身刑を言い渡す