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新潟水俣病3次訴訟、7年半経て結審 原告「正当な賠償権利確立へ」

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新潟水俣病3次訴訟、7年半経て結審 原告「正当な賠償権利確立へ」

 〈新潟〉新潟水俣病の未認定患者ら11人が国と県、原因企業の昭和電工に1人1200万円などの損害賠償を求めている3次訴訟の口頭弁論が25日、新潟地裁(大竹優子裁判長)で行われ、平成19年4月の提訴から約7年半を経て結審した。判決は来年3月10日に言い渡される。

 新潟市の50代の原告男性が意見陳述し、手足のしびれや耳鳴りなどの症状が悪化して仕事に支障が生じているとして、「会社の利益を最優先し、毒を垂れ流した昭和電工を許すことはできない。国や県も許しがたい」と訴えた。

 原告側代理人の高島章弁護士は「『救済』という曖昧な決着ではなく、責任の所在を明らかにし、被害者に正当な賠償の権利を確立させるために和解を受け入れず、判決を目指して訴訟を続けた」と述べた。

 3次訴訟の第1陣は19年4月に提訴。当初、原告は12人だったが、追加提訴の一方、水俣病救済特別措置法(特措法)による一時金の受給や、特措法よりも補償が手厚い公害健康被害補償法による認定を受けた訴訟取り下げなどがあり、結審時は11人だった。

 訴状などによると、原告は昭電が阿賀野川に流した有機水銀で汚染された魚を食べ、水俣病特有の症状で精神的、肉体的な苦痛を受けたと主張。国と県は水俣病の発生と拡大を防ぐ対策を怠ったと指摘している。

 被告の昭電は、原告を水俣病患者と認めておらず、国は自らの責任を認めず、県は「打つ手がなかった」などと主張した最終の準備書面を提出している。

 4次訴訟では23年、昭電が原告173人に1人210万円の一時金を支払うことなどで和解が成立し、5次訴訟は係争中。

 3次訴訟の一部原告は、水俣病の認定申請を棄却した新潟市の処分取り消しを求める訴訟も起こしており、同日、1陣と2陣の併合審理を決めた。

 高島弁護士は閉廷後の記者会見で、高齢化が進む原告に配慮しつつ「かなり長かった。もっと圧縮して4、5年でやれたのでは」と語った。