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総延長10キロの戦争遺跡 軍用機エンジン工場・八王子「浅川地下壕」 東京

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総延長10キロの戦争遺跡 軍用機エンジン工場・八王子「浅川地下壕」 東京

浅川地下壕のイ地区。むき出しの掘削跡が昔のままの姿をとどめている=八王子市

 八王子市のJR高尾駅から南西方向へ数百メートル~1キロほどの地下に、巨大トンネルが広がっている。先の大戦末期、軍用機エンジンの“地下工場”として旧陸軍が突貫工事で掘削した「浅川地下壕(ごう)」だ。

 浅川地下壕が掘られたのは、昭和19(1944)年9月から20年8月にかけて。零戦、隼など陸海軍機のエンジンを作っていた中島飛行機武蔵製作所(武蔵野市)を空襲から避難させるため、東高尾山の中腹地下をくりぬいた「イ地区」、金比羅山や三和団地の地下の「ロ地区」、初沢山の中腹地下の「ハ地区」の3つが掘削された。

 壕内は高さが2、3メートル、横幅は4・5メートル程度。最も規模が大きいイ地区は全長約4・2キロで、未完成で使われなかったロ、ハ地区を合わせると総延長は10キロを超えるという。長野市の松代大本営地下壕と並び、戦時中に掘られた地下壕では屈指の規模だ。

 公開されているイ地区に入るため、「浅川地下壕の保存をすすめる会」が主催する見学会に参加した。

 壕内は足元は比較的なだらかだが、天井や側面はごつごつした岩肌がむき出し。削岩機で開けた穴、そこにダイナマイトをつめて爆破、岩盤を掘り進めた跡も残り、工事を急いだことが分かる。掘り崩した岩石を運び出すトロッコ用のレール枕木とみられる木片もわずかだが残っていた。