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【大動脈が危ない 関門新ルート構想】経済効果2070億円

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【大動脈が危ない 関門新ルート構想】
経済効果2070億円

 九州と本州を結ぶ新たな大動脈「関門新ルート」整備による経済効果が、建設費を除いても2070億円に上ることが6日、山口、福岡両県などの調査の結果、わかった。同日、早期着工を目指し山口県下関市のシーモールパレスで10年ぶりに開かれた「下関北九州道路整備促進大会」で報告された。新ルートが地元にもたらすメリットが改めて示されたといえる。(大森貴弘)

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 関門新ルートは、下関・北九州両市を結ぶ3本目の道路で、下関市彦島迫町と北九州市小倉北区西港町付近を結ぶ約2・5キロの経路が有力とされる。

 現在、両市を結ぶ道路は関門国道トンネル(昭和33年開通)と関門橋(48年開通)の2本しかなく、老朽化が進んでいる。点検や交通事故による通行止めも、しばしば発生しており、本州と九州を結ぶ交通ルートを確保する観点から、新たな道路建設を求める声が、経済界を中心に高まっている。

 福岡、山口両県と北九州、下関両市は平成25年度、関門新ルートに関する調査を始めた。2年間かけて交通量や経済効果を予測するとしており、この日の大会で中間報告を発表した。

 報告によると、関門トンネルを利用した場合、北九州・下関両市役所間は約20キロあり、自動車で片道50分かかる。現在、有力視される経路で関門新ルートが整備された場合、距離は14キロで所要時間も25分に短縮できる。

 仮に関門トンネルと同額の通行料(150円)を徴収したとしても、道路の混雑緩和やガソリン代などの走行経費の減少によって、50年間で2070億円の経済効果があるという。建設費用は数千億円の見通しで、建設業をはじめ地元経済への波及効果はさらに膨らむとみられる。

 一方、関門海峡の交通遮断による経済損失は、年間14兆円に達するとの試算もある。

 大規模災害時を含めた交通ルートの確保と、経済効果の観点から、関門新ルート建設を求める声は、徐々に広がっている。

 下関北九州道路整備促進大会は、平成16年以来10年ぶりの開催だった。

 大会には、小川洋・福岡県知事のほか、北橋健治・北九州市長や中尾友昭・下関市長、地元選出国会議員らが出席した。村岡嗣政・山口県知事は、同県東部を襲った大雨被害のため、欠席した。

 大会では政府に関門新ルートの早期実現を求める決議を採択した。決議文は、10月中旬に国土交通省や財務省などに提出するという。

 小川氏は大会後、報道陣の取材に「安倍晋三内閣が誕生し、産業再生と国土強靱(きょうじん)化計画が進んでいる。九州と本州の大動脈の老朽化は喫緊の課題だ。本腰を入れて調査してほしいという政府への思いが、今日の大会につながった」と述べた。