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発達障害児、地域でサポート 集団行動通じて社会性育成 静岡

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発達障害児、地域でサポート 集団行動通じて社会性育成 静岡

 自閉症やアスペルガー症候群、注意欠陥・多動性障害などの総称である発達障害。知的障害を伴わないケースも多いが、「相手の気持ちを考えるのが苦手で、対人関係をうまく作れない」のが共通の悩みだ。そうした発達障害を抱える児童をサポートする取り組みが浜松市で広がっている。

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 ◆浜松市で広がる活動

 同市内の有志の教育関係者らでつくる「浜松特別支援教育研究会」では、学生ボランティアなどの支援を受け、発達障害の児童が参加するイベント「浜松・発達支援の森」を年5回開催している。この日は静岡文化芸術大学(同市中区)を出発して15分ほど歩き、近くのコンビニエンスストアでの買い物学習。子供たちは350円のお小遣いの中で、好きなお菓子を買うという課題に挑戦した。

 同じ発達障害でも、その度合いや症状は十人十色だ。道中の横断歩道で、信号が青に変わったが1人が遅れていたため、リーダー役の子が「みんなで待とう」と呼びかけた。しかし、「青信号なのになぜ渡らないの」としきりに繰り返す子も。子供たちに付き添う浜松市発達相談支援センター職員の桐生大輔さん(41)は「発達障害には『自分はこうしないといけない』というこだわりの強さがある」と説明。実際の買い物でも、20分近くかけて、同じ味のガムばかりを買ってしまう子もいた。

 今回初参加の県立浜松江之島高校3年、太田真司さん(17)は「質問と違う答えが返ってくることが多く、会話が難しい」と戸惑い気味。だが、袋入りのアメを買った男の子に「たくさん買ったね」と声をかけると、「みんなにあげるんだ」と笑顔が返ってきた。

 同会は当初、浜松特別支援学校(同市南区)を拠点に活動していたが、「通常学級に通う発達障害の子にも参加してほしい」と市中心部での活動に切り替えた。買い物活動に加え、運動会や公園での散策といった集団レクリエーションを通じて社会性を育てることを目的としている。会の活動は評判を呼び、今年度は定員の60人を大きく超える100人以上の保護者から申し込みが殺到した。

 ◆保護者対象の勉強会も

 保護者を対象とした勉強会も実施しており、「子供が言うことを聞かない」「宿題をさせるにはどうしたらいいのか」といった質問が寄せられることもしばしば。同会代表の内山敏さん(46)は「発達障害の児童のいる家庭を地域で孤立させないことが重要。保護者は『従わせるのではなく、まず子供を理解する』ことを心がけてほしい」と話した。