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藤岡のチェーンソーマン今井陽樹さん、国内大会で準優勝 群馬

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藤岡のチェーンソーマン今井陽樹さん、国内大会で準優勝 群馬

 世界一のチェーンソーマンを目指す若者がいる。多野東部森林組合(新井和子組合長)=藤岡市=で森林整備作業などを行う今井陽樹(ひのき)さん(28)だ。先月、初めて行われた日本伐木チャンピオンシップ(JLC)で準優勝に輝き、9月にスイスで開かれる世界伐木チャンピオンシップ大会(WLC)に日本代表の一員として挑戦する。(椎名高志)

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今井さんは名古屋市のサラリーマン家庭で育った。20歳のとき、プロのスノーボーダーを夢見てカナダへ。3年間の修業は実を結ばなかったが、「カナダで登った山頂からの景色を見て、山に関わる仕事がしたい」という、新たな思いに駆られる。帰国後、林業労働力確保支援センターで林業の基礎知識などを学び、チェーンソーと刈払機の資格も取得した。同組合には平成22年に就職した。

 「従業員を募集していたところ、積極的に応募してきてくれた」と同組合の浦部秀一郎参事。同組合では19年から全国13の森林組合の一つとして林野庁のモデル事業「提案型集約化施業」に取り組んでいる。森林所有者に山道整備を含めた材木の切り出しなどの提案を行って林地を集約、高性能林業機械を使ってコスト低減を図り、利益を所有者に戻すというものだ。林業にとって人材確保は大きな課題の一つだが、浦部参事は「募集をかけると比較的若い人が応じてくれる」のだという。

 WLCは40年以上の歴史を持つ林業技術の大会。隔年で開催され、ヨーロッパを中心に約30カ国から100人を超える選手が参加している。日本人では平成22年大会から2大会連続して青森県のチェーンソーマンが個人の資格で参加している。

 JLCは全国森林組合連合会などが「予選を行い、きちんと日本を代表するチームを送り出したい」と今年初めて企画し、先月、同県で第1回大会を開いた。「林業に従事したら最初の3年間で技術的な自信を持ちたい」と決意していた今井さんは群馬県内から、ただ一人のチャレンジャーとして参加した。

 試合はWLCと同じく、立て木を切って10メートル超先の目標に当てる「伐倒」をはじめ「ソーチェン着脱」「丸太合せ輪切り」「接地丸太輪切り」「枝払い」の5競技で技術を競った。結果は参加20人中、2位。4人で1チームの日本代表の座をつかんだ。

 「林業を一生の仕事にする」と言い切る今井さん。そして、「木の命をいただく仕事。木を使ってもらわないと木を生かしたことにならない。多くの人に木に関心を持ってもらうため、自分なりの活動が大会へのチャレンジ」と言葉をつないだ。