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全職員にタブレット型PC “焼津モデル”全国にPR 静岡

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全職員にタブレット型PC “焼津モデル”全国にPR 静岡

 ■ペーパーレス効果、連携にも活用

 焼津市では今春から、全国の自治体でも初となる全職員へのタブレット型パソコンの配備を実施している。導入から1カ月ほどが経過したが、会議資料などの紙の使用が減少するペーパーレス効果を実感。距離の離れた庁舎間の連携にも活用を検討しており、同市では“焼津モデル”としてPRしていく考えだ。

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 タブレットの導入は、市職員の業務用ノートパソコンのリース期間が昨年10月で終了することをきっかけに検討を開始。市情報政策課では、当初ノートパソコンでの更新を予定していたが、「タブレットを使えば約3千万円のコストカットになる」と試算。だが、職員からは「画面が狭い」「キーボードで操作できない」といった不安の声が上がった。同課の吉田和之課長は、タブレットに接続できる21・5インチのモニターやキーボードを持参して、約1カ月間職員の“説得”に奔走。昨秋の職員アンケートでは7割が導入に賛成し、今年3月には全職員672人分のタブレットの配備が実現した。

 デスクでの通常業務では、タブレットにモニターを接続して「通常のパソコンと同じ感覚」で作業。所属長の許可を得れば庁舎外への持ち出しも可能で、市民に画面を示しながら行政サービスなどを説明することも可能だ。タブレットの重さは800グラムほどで、約2・6キログラムだったノートパソコンに比べると持ち運びも簡単になった。

 ペーパーレス効果も確実に出ている。今月1日には、タブレットを使った幹部職員会議を初めて開催。部長級以上の職員約30人が参加するこの会議では、持ち帰り用も含めると1回で2千枚程度の紙を使用していたが、各自がタブレットに資料をダウンロードすることでゼロになった。

 タブレットの導入で、市が抱える構造的な問題にも解決の兆しが見えている。平成22年に旧大井川町と合併した焼津市では、「大井川町地域の市民サービスの低下を防ぐ」(市資産経営課)ため行政機能を分散。市役所本庁舎に加え、都市基盤部などはアトレ庁舎、教育委員会などは大井川庁舎と3カ所に行政拠点を置いている。昨年1月には庁舎の老朽化のため市議会を大井川庁舎に移転しており、「本庁舎から往復すると、移動だけで1時間ほど」という不便さは職員の悩みの種だ。吉田課長は「タブレットのカメラ機能を使ったテレビ会議を活用することで、部局同士の連携もよりスムーズになるのでは」と期待を込めた。