産経ニュース

出羽三山の開祖・蜂子皇子像初公開 山形県内で秘仏ご開帳めじろ押し

地方 地方

記事詳細

更新


出羽三山の開祖・蜂子皇子像初公開 山形県内で秘仏ご開帳めじろ押し

 ■被災地の信者に生きる力

 修験で知られる出羽三山(羽黒山、月山、湯殿山)の開祖、蜂子皇子(はちこのおうじ)の像が17日、鶴岡市の出羽三山神社で、関係者に披露された。像はこれまで長く人目に触れることがなかったが、29日から初めて一般公開される。(杉浦美香)

                   ◇

 蜂子皇子は蘇我氏に暗殺される第32代崇峻(すしゅん)天皇の子とされる。蘇我氏の討伐を逃れるために都を離れ、593年に開山したという。

 像は江戸時代初期まで羽黒山の国宝、五重塔内に安置され、1619(元和5)年には山頂に建立されたお堂(現在の蜂子社)に移った。それまでは拝観されていたが、明治になって神仏分離の廃仏毀釈(きしゃく)で非公開となったという。

 今回の公開は、12年に1度の「羽黒山午歳御縁年(うまどしごえんねん)」という特別な年に当たることと、東日本大震災の被災地の多くの信者らに生きる力を与えたいという神社側の思いから実現した。

 蜂子皇子の姿は民の苦しみを背負ったため「顔はみにくく、口は大きく耳の根元までさけ…一尺もある異様なお姿だった」と文献にある。この日のお披露目では「秘中の秘」とされる像のため直接の写真撮影は許されなかったが、実際の像は文献に記載された様子とは違い、柔和な表情を浮かべていた。

 宮野直生宮司(66)は「(被災地に)力を授けるとともに、地域の振興にも役立てたい」と話した。9月30日まで公開される。

 また県内では、6月14日から観光PRの山形デスティネーションキャンペーン(DC)が始まることもあり、寒河江市の慈恩寺や長井市の普門坊が秘仏をご開帳するなど特別公開がめじろ押しだ。慈恩寺は今年が開山1300年と寒河江市制60周年に当たることから、国指定重要文化財の御本尊弥勒菩薩坐像など複数の像を6月1日~7月21日に公開する。普門坊は今月27~29日、御本尊馬頭観音を公開。本来、見ることができるのは60年に1度のため2062年だが、像の修復が終わったことで公開が実現した。

 最上町では、最上三十三観音のうち富沢観音、太郎田観音、世照観音が5月1日~9月30日まで特別公開される。